商工省、サイゴンビールの株式売却計画発表 年内に完了へ

ベトナム商工省は、ベトナムのビールメーカー最大手、サイゴンビール・アルコール飲料総公社(サベコ)の国有株の売却を、年内に完了する計画を明らかにした。ベトナム政府はサベコの全株式の89%を保有しているが、外資を含め、売却先を模索している。

商工省は今月9日付けで、売却計画を承認。計画によると、売却手続きは今年12月までに完了させる予定という。

売却について、商工省は、「透明性を大前提として、国家に最大の利益をもたらす方向で行われる」と表明。売却価格は市場に基づき決定するほか、外国資本による株式取得の場合は、ベトナムの国内法にのっとって行われることなどを確認した。

さらに、「ベトナム産ビールのブランドを残存させ、より発展させるような手段を講じる」ことなども盛り込まれたという。

放出される株式の数量や売却価格、放出される株のうち何割を外国資本に売却するのか、などの詳細については公開されなかった。

今後は、商工省が定めたサベコ株売却に関連する規制に従い、公平な競争のもと、適切な投資先に売却される。予想では売却価格は数兆ドンにのぼるとみられ、国内外の投資家の注目を集めている。

売却を効率よく、公正に行うために、商工省はベトナム国家証券取引委員会、ホーチミン証券取引所などに、通常とは違う取引が行われないよう目を光らせておくよう求めた。

サベコはベトナム最大のビールメーカー。約65億ドル規模とされるベトナムの国内ビール市場の約40%のシェア(市場占有率)を占めている。

サベコビールの1株当たりの価格は、11月15日の株価は27万1000ドン(約11.92ドル)だった。ここ7取引日連続で値を下げてはいたものの、今年年初の株価と比較すると、同社の株価は37%を超える上昇となっている。