サクラクレパス、ベトナムに筆記具の新工場建設

筆記用具や画材メーカーのサクラクレパス(大阪市)が、ベトナムに建設していた海外4カ所目となる生産拠点がこのほど完成し、11月22日には試験的に稼働を始めた。ここで製造された製品は、来年以降、日本やアジア各地へ輸出されるという。

写真㊤=操業を始めたサクラ・カラープロダクツ・ベトナムの工場(ビンズオン省)

サクラクレパスは、8億円(約714万ドル)を超える建設費用を投じ、広さ約1.5ヘクタールの施設を、ホーチミン市郊外にあるベトナム・シンガポール第2工業団地(ビンズオン省)に建設した。運営は、同社が昨年設立したベトナム法人、サクラ・カラープロダクツ・ベトナムが行う。

工場では、2018年に1億円(86万ドル)の売り上げを見込む。2021年にはその数字を、約7億円(625万ドル)にまで引き上げたい考えという。

製品は当初、日本やアジアの近隣諸国で販売される予定で、来年の2月には最初の製品が日本に向け出荷される。

同社によると、日本と複数の貿易協定を結んでいることや、さまざまな優遇措置などから、ベトナムが進出先として魅力的だと判断した。インフラなどの今後の発展にも期待を込めたほか、ベトナム人の労働者層が若く、勤勉であることも高く評価したという。

ビンズオン省人民委員会のチャン・タイン・リエム委員長は、今回の工場新設について、「サクラクレパスの投資を歓迎している。ベトナムの地方都市での事業拡大につながる」と期待。同省では、省内への進出企業に対してさまざまな優遇措置や支援を提供しているといい、「今回のサクラクレパス社の投資が引き金となり、今後より多くの日本企業が、ビンズオン省に進出してくれることを期待したい」と呼び掛けた。