ベトナム不動産大手ビングループの子会社、ビンコムリテール(VRE)が先月、ホーチミン証券取引所(HOSE)に株式を上場した。上場した総株数は、19億107万8733株。上場当初の参考株価は、1株が3万3800ドンだった。

写真㊤=株式を上場したビンコムリテールの店舗

ビンコムリテールの上場は、ショッピングセンターを運営する企業としては、初の株式上場となった。通産では、HOSEに上場した427社目の企業だった。

有限会社として2012年11月4日に設立した同社は、2013年にビングループ傘下でビンコム(VINCOM)ブランドのショッピングセンターの業態を開発。その運営を行うようになり、同年5月株式会社化された。

今年秋までには、ベトナムの22の省と都市で、計41カ所の商業施設の管理や運営、リースを展開するなど、事業を着実に広げてきた。店舗の総面積は110万平方メートルを超え、ハノイとホーチミンの二大都市では、60%のシェア(市場占有率)を誇る。同社の総資産は、9月末時点で362億4200万ドンに達した。

上場の式典で、ビングループのレー・カック・ヒェップ副会長は、同社が2018年末までに、さらに50カ所以上のビンコムショッピングセンターを開設する計画を明らかにした。さらに2021年までには計200カ所の施設開設を目標にする。

株式上場で調達した資金で、同社では扱う商品の品質向上、施設の大幅な変革と認知度アップ、取り扱う国内外の有名ブランドやテナントの数の増加と質の厳選などを目指す。さらにヒェップ氏は、「私たちはこれらの目標を達成するため、引き続き強みを発揮する努力を続け、上場を契機にベトナムを代表するトップ企業を目指す」と語った。

具体的には今年、純利益4兆6040億ドン、税引後利益2兆1330億ドンを目指す。2018年には、売上高が前年度比75%、税引後利益が同55%、それぞれ成長すると予想し、売上高は8兆5300億ドン、税引後利益は3兆3020億ドンに達する見込み。

上場の式典で、チャン・アイン・ダオHOSE副所長は、「ビンコムリテールの上場は、ベトナムの株式市場を多様化し、投資家に多くのチャンスを与えることに貢献する」と上場を評価した。