ベトナムの国営ベトナム・ラバー・グループ(VRG)傘下のクアンチ・ゴム社は、隣接するラオスのサ-ラワン県で約500ヘクタール規模のゴム農園を展開し、ゴム精製工場を建設することがわかった。11月末にビエンチャンで、土地賃借契約を結んだという。

VRGはベトナム最大の天然ゴム生産企業で、クアンチ・ゴムのあるベトナム北中部クアンチ県は、天然ゴムの産地として知られる。総投資額は約1000万ドルで、プロジェクトは30年継続させる見込み。

プロジェクトの実現は現地で好意的に受け止められている。ラオス計画投資省のカムリエン・フォンセナ副大臣は調印式典で、「この新事業は、サーラワン県の地元住民らに仕事を提供することで貧困家庭を減らし、一帯の社会的経済的発展を助けることにつながる」と計画を評価した。

今年2017年が「ベトナム・ラオス友好年」に当たるため、両国の関係や連携強化にもつながるとの期待も込めた。

また、クアンチ・ラバー社に対しては、ラオスの環境保護に関する法律や、省エネルギー政策、緑化ガイドラインなどを順守しながら、スケジュールに遅れの無いように計画を遂行してほしいと要望した。

その一方で、ラオス政府や計画投資所、関連当局などが、各方面で、プロジェクトの展開を容易にする好条件を整える考えを示した。

クアンチ・ラバー社側のヴァン・ルー社長はベトナム政府に感謝の意を示し、「プロジェクトが順調に進むようきちんとレールに乗せ、ラオスの法律にのっとって展開していきたい」と語った。

ベトナムの2015年の天然ゴム生産量は約102万トンで、タイ、インドネシアに次いで世界第3位だった。