1月の青果輸出、大きく拡大 日本向けは69.3%増

農業・農村開発省によると、1月のベトナムの青果輸出額は3億2100万ドルに達し、2017年同月比36.9%増となった。最も金額が増えたのが日本への輸出で、前年同月と比べて69.3%増加した。

国別にみると、主要な輸出先は中国、日本、アメリカ、韓国の4カ国。日本に続いて輸入金額の増加率が高かった国はアラブ首長国連邦で、同前年同月比56.3%増。中国が同52.4%増だった。

一方で1月分の野菜輸入額は、1億5200万ドルで、2017年同月と比べて57.1%増加した。そのうち野菜輸入が約3400万ドル、果物輸入額は約1億1600万ドルだった。

同省によると、2018年の1月の果物市場は価格の変動や、商品、品質などによる価格差が大きく開く結果となった。旧正月の期間中、果物の需要は高まるため、値段はさらに高騰すると予測される。

1月中、メコンデルタ産のドラゴンフルーツは価格が少し上昇したものの、一級品で1キロ当たり1万3000ドン~1万4000ドンになった。二級品は1キロ1万ドン以下だった。

一方で、南西部産のミルクフルーツは、一級品が1キロ1万3000ドンから1万5000ドンの価格を維持。二級品でも1キロ1万~1万1000ドンだった。ミルクフルーツのアメリカへの輸出が始まったことが、価格を引き上げたとみられる。

ティエンザン省のジャックフルーツも、中国への輸出が増えているため、価格が1キロ4万3000ドンにまで高騰している

ベトナム青果協会によると、ベトナムの果物と野菜の輸出先は、これまでに40の国と地域に拡大。2017年の青果輸出額は前年比43%増の総額35億ドルに達し、ベトナムの輸出の重要な品目へと成長した。

商工省では、「青果輸出はさらに拡大する余地がある」という。世界的な青果市場は2011年以降毎年2000億ドル規模で拡大しているのに対し、ベトナム産地の青果が占める割合はこの市場の1%強に過ぎないからだ。

青果協会では、ベトナムからの青果輸出は2020年までに、2016年比約80%増の45億ドル規模に拡大すると予測している。このうち、果物の輸出は36億ドルを占める予想だ。さらに、2030年までには青果輸出の総額は70億ドル、果物の輸出を60億ドル規模にまで引き上げたいとする。これによって、2030年の青果分野の輸出入は15億ドルの黒字を見込んでいる。

これらの予測の実現に向けて商工省は農業農村開発省と連携して、農業部門の再編成をすすめ、輸出先の要件に沿った、高品質で食品安全性にこだわった農産物を作っていく考えだ。そのためにハイテク農業などを促進する一方で、輸出先を増やすことでリスクの軽減を図るほか、産地ブランドの構築などにも力を入れる。また、生鮮品と比べて輸出価格が10〜20倍と高く、輸出総量も容易に増やせる加工品の増産を目指し、企業の投資を促している。