2018年第1四半期GDP成長 過去10年間で一番高い

ベトナム計画投資省傘下の統計総局はこのほど、ベトナムの2018年第1四半期の国内総生産(GDP)を発表した。統計によると、GDPは前年同期と比べ7.38%増え、過去10年間でもっとも高くなった。

統計総局のグエン・ビック・ラム局長によると、7.38%増となった第一四半期GDP成長を分野別にみると、農林水産分野全体で4.05%増えたという。また、工業・建設が9.70%増、サービス業が6.70%増加した。外国人観光客が420万5400人(第1四半期)と好調に推移していることも影響した=写真㊤

農林水産分野のなかでも、農業は前年同期比3.76%増と伸び、2011年から2017年まででもっとも高い数値となった。

ラム局長は、農業分野の高い成長について、「農業が農作中心から水産物の養殖業への転換したことや、稲作から高付加価値の果物栽培にシフトしたことなどが理由と考えられる」と分析した。

工業・建設分野では、工業分野が前年同期比10.08%増、加工・製造業は13.56% 増となった=写真㊦。2017年同期比10%減だった鉱業も、0.40%増まで回復した。

サービス業では、卸売業および小売業が前年同期比7.45%増ともっとも高い成長率をみせた。宿泊や飲食業は7.6%増、財務・銀行・保険の分野は7.72%増だった。また、不動産も3.56%増えた。

第1四半期のGDPは高かったものの、ベトナムの2018年度の目標であるGDP6.7%成長の目標を達成するのは簡単なことではない。世界の経済を見ると、各国は税制度を大きく変革しており、例えば米国の企業税が35%から20%へ引き下げられ、このことなどがベトナムとの間の貿易に大きく影響しそうだ。このため、ラム局長はベトナムの政府や省庁に対し、経営環境を変革し、投資の誘致に尽力してほしいと、要望した。