ニソン製油所・石油化学コンプレックス 今月運転開始 タインホア省

ベトナム北部タインホア省のニソン製油所・石油コンプレックスが、今月、商業運転を始める。5年にわたる建設工事がほぼ完了して、2月に試験運転を始めていたが、本格操業の準備が整ったことから近く、精製のため最初の原油が運び込まれる予定という。

同施設は、中部クアンガイ省のズンクワット製油所に続くベトナムで2番目の石油精製所で、同国のエネルギー政策の発展に大きく寄与すると期待される。施設の年間処理能力は約1000万トンで、操業後は10兆ドン(約4億4000万ドル)規模の利益を拠出すると見込まれている。

製油所に石油化学プラントが併設された石油化学コンプレックスでもあることから、商業運転開始後は、ガソリンや軽油などの精製に加えて、さまざまな石油化学製品の製造も可能となる。国内で必要な石油製品の約8割が、同施設の生産でまかなえる計算だという。

同施設の建設は2013年、90億ドル以上の資本を投入して始まった。

プロジェクトには、ベトナム国営石油ガスグループ(ペトロベトナム=PVN)、クウェート国際石油と日本の出光興産、三井化学の4社が参加。4社による合弁企業「ニソンリファイナリー・ペトロケミカルリミテッド社」が設立され、同社の株式の25.1%をPVNが所有、クウェート国際石油と出光興産が35.1%、三井化学が4.7%をそれぞれ保有している。

ベトナムの工業化が加速するなか、石油精製品の需要は高まる一方だ。そのため、製油所の幹部は、「同プロジェクトの指導により、工業分野で不可欠な多様な石油製品を国内で供給できるようになる。ベトナムの発展のためにも、戦略的にみて非常に重要だ」と期待を語った。