ベトナム初の国産自動車「ビンファスト」生産工場 フック首相が訪問

ハイフォン市を訪問したグエン・スアン・フック首相は、ベトナム初の国産車生産に乗り出す不動産大手、ビングループの傘下企業、「ビンファスト(VinFast)」が、同市ディンブー=カットハイ工業団地内に建設中の工場を訪問。「ベトナムの自動車産業の発展に貢献する試みになる」と激励した=写真

ベトナム初の国産自動車生産の計画は、ベトナムの自動車産業を活性化や裾野産業の発展とともに、ベトナムの公共交通や交通システムの質の向上を図ることなどがねらい。ビンファストでは、小型電気自動車や電動バイクの製造などで、排出ガスの大幅な削減の実現も目指す。

自動車は、セダンとスポーツ用多目的車(SUV)、小型自動車、電気自動車と電気バスの5種類の製造を計画。小型電気自動車は、海外の事業パートナーの協力を得て、高品質で環境にやさしい商品を製造する予定。

計画では、2018年の9月にも電動バイクから生産を始める予定。2019年の第2四半期にはセダンとSUV車、2019年の末ごろには電気自動車と電気バス、小型のガソリン車の生産にもそれぞれ着手する。

ハイフォン市ディンブー=カットハイ工業団地内の工場予定地では、起工式から8か月かけて約335ヘクタールが整地されており、50万平方メートルの工場が建設中だ=写真㊦。来月から一部部品製造などを開始したい考えだ。

ビングループが、ベトナムの初めての国産車ブランドとなるビンファスト(VinFast)を設立したことについて、フック首相は、同グループの試みを高く評価。「今後さらに努力を積み重ねる必要があるが、提携企業や関係会社などと協力しながら、ビンファストはハイテクノロジーを発展させていくだろう」と、期待を寄せた。

ビングループは、自動車やバイクなどの分野を支える裾野産業の工業団地も整備。これまでに8施設が誘致されており、ベトナム自動車業界の課題だった部品の現地調達率の向上に貢献すると期待されている。このうち、4つの工場はビングループが投資によるもので2カ所は合弁企業。残る2カ所の工場は100%サプライヤーの投資で設立される。

同社は、自動車のボディと内部の設計などで、イタリアの一流設計会社と協力。そのほか、各分野で世界の一流企業と提携し、エンジン技術などの技術供与を得る。