ビンファスト、独フランクフルトに海外拠点開設 中国、韓国でも準備

ベトナム初の国産自動車製造に乗り出す、不動産大手のビングループ傘下のビンファスト・トレーディング・アンド・プロダクション有限会社が、ドイツ・フランクフルトに初となる海外支社を開設する。開設手続きがほぼ完了し、現地ではこのほど、関係者らを集めたお披露目とワークショップが開催された。

ビンファストは、フランクフルト支社の開設発表を兼ねて、6月下旬に現地ワークショップを開催。世界各国の取引先関係者約300人が参加した=写真

同社によると、フランクフルトの企業登録事務所が、「ビンファスト有限会社」の設立許可を発行したという。主要な業務内容は、自動車・オートバイなどの売買のほか、自動車などに関連するスペアパーツや部品、原材料などの輸出入を含めた商取引。

ビンファストはすでに、パートナー企業となるBMWやシーメンス、ボッシュ、デュール(Dürr)、シューラー、アイゼンマン、FFTやEBZなどのドイツ企業と協力関係を確立。支社設立は、世界に通用する高品質の自動車やオートバイの生産に乗り出すビンファストの意欲を示すものとなった。

同社関係者によると、ドイツ以外にも今後、中国の上海と韓国国内にも近く支社を設立する計画で、準備の最終段階に入っているという。

自動車製造や利用の中心地であるヨーロッパとアジアに拠点をもつことは、ベトナム初の国産自動車の製造を目指す同社の世界的な視点を明確に示し、世界の自動車市場に参入するための重要な一歩となる。また、世界最先端の自動車製造技術に触れることができるほか、これらの国々の主要部品メーカーと接点を持つことも可能になる。

さらに、商品の研究開発面でも、支社を設立してドイツや韓国、中国で存在感を確立すれば、世界の自動車産業の最新トレンドに追いつくことができ、良好なビジネス条件を生むことにつながると期待される。

市場分析においても、将来的に生産車の海外輸出を目指すビンファストにとって、海外支社はアジアと欧州の2大陸で消費者の嗜好の違いなどを分析する上で、重要な役割を果たすことになりそうだ。