中国‐ベトナム間の国境貿易、さらなる拡大に期待

中国は、ベトナム最大の貿易相手国の1つであり、主要な輸出市場でもある。ここ数年間で、中国とベトナムの貿易取引高は、年平均20%以上の伸びを見せている。

にもかかわらず、中国とベトナムの国境貿易は、いまだ限定されている。国境を接するラオカイ省と中国雲南省で取引される農産物や水産物の貿易促進について議論する会議が7月13日、ラオカイ省で開かれ、同省のドー・チュオン・ザン商工局局長は、「両国の仕組みや政策が多少異なる上、輸出入に関するインフラも、増え続ける需要を満たしていない。国境付近の大部分のベトナム企業は中小規模であり、十分な資金や人材を集めるのに苦労している。加えて中国市場では、一部の輸入品の基準、品質、検疫、数量への要求がますます高まっており、ベトナム企業は困難に直面している」と指摘した。

この会議は、ベトナムの地域や企業に対し、中国市場の情報やラオカイ省と雲南省河口を跨ぐ国際取引に関する関税政策を紹介するために開かれた。会議で、ラオカイ省人民委員会のレ・ゴック・フン副委員長は、「ラオカイ省を介した輸出入額は、今年上半期で15億5000万ドル(約1724億円)に上り、前年同期比で29%増加した」と述べた。

また、雲南省商務庁の担当者は、「ベトナムは、依然として雲南省の第2位の貿易相手国である。今年1月から5月までの間に、雲南省とベトナムの相互貿易取引高は18億4000万ドル(約2046億円)に達し、昨年に比べて75.8%も増加した」と強調。さらに、「こうした大幅な伸びは、国境貿易の発展に関する合意の成果である」とも指摘した。

雲南省は、同省とベトナムの地域との貿易をさらに促進するために、双方が通関手続きを迅速化し、輸送コスト削減のために管理手数料を減額することを提案。ベトナムに対しては、中国の西南・西北地域の水産物市場で、貿易シェアを拡大していくよう促した。

ベトナム商工省貿易促進庁のディレクター、ヴー・バ・フー氏は、「中国は引き続き、ベトナムの主要な貿易相手国である。二国間貿易は拡大し、現在の取引高は1000億ドル(約11兆1235億円)近くにまで達している。両国の企業も貿易拡大にますます積極的だ」と述べた。また、会議の参加者たちは、輸出入業務に最適な環境を整えるとともに、不必要なリスクを避けるため、税関や国境警備隊、検疫事務所といった関係当局が緊密に連携して企業へ協力を行っていくことに賛同した。

ベトナムの果物や野菜の中国市場への輸出は、今年上半期で12億ドル(約1334億円)に上り、前年比で18.1%増加した。