来秋にもベトナムに「ユニクロ」1号店開業へ ホーチミン市に進出計画

カジュアル衣料製造販売の「ユニクロ」が、2019年秋、ベトナムのホーチミン市に1号店を開業すると発表した。ユニクロのベトナム上陸によって、すでにベトナムに進出しているZaraやH&Mなどの外資系アパレル会社との間で激しい競争が繰り広げられることになりそうだ。

「ユニクロ」などの持株会社、ファーストリテイリング社の柳井正代表取締役会長兼社長は「東南アジア地域は、わが社にとって成長にむけた大きな推進力だ。とてもエキサイティングな経済圏であり、注目の小売市場でもあるベトナムに進出できることに満足しており、将来性を感じている」などと話した。また、ユニクロブランドの高品質で手ごろな価格帯のカジュアル衣服をベトナムに紹介できることを楽しみにしているとしたうえで、「われわれは、店舗を運営する地域や経済圏に対して、前向きな貢献ができると思う」と付け加えた。

ベトナムでの「ユニクロ」1号店は、ホーチミン市内で開設予定。三菱商事と共同で、ベトナムでユニクロ事業を展開する合弁会社を設立するという。ファーストリテイリングが75%、三菱商事が25%という出資比率となる。今後は、ひとまずホーチミン市で店舗数を増やした後、ベトナムの他都市へと運営を拡大する計画で、近く職員の採用を始める予定だ。

ファーストリテイリングは東南アジアとオセアニア地域で、2022年までに、店舗数を現在の約2倍の約400店に増やすことを目指している。現在、同グループの世界的販売網はアジアやヨーロッパ、北米、オーストラリアなど約20地域に広がり、店舗数は2000近くにまで増えている。

ファーストリテイリング社は昨年8月の会計年度末での売上高が、168億7000万ドルだった。2022年の会計年度末には、東南アジアでの収益を現在の約3倍の3000億円(約27億1000万ドル)まで拡大したい考えだ。