ベトナム統計総局が1~9月の経済成長を発表した。9カ月間の国内総生産(GDP)の伸びは前年同期比6.98%増で、2011年からの8年間で最高の伸びとなった。ベトナム政府が目標としている今年のGDP伸び率の6.7%は、達成されそうな状況だ。

統計総局によると、携帯部品の製造輸出などの輸出の好調に牽引され、2018年第3四半期のGDP伸び率は、6.88%だった。第1四半期(7.45%)をわずかに下回ったが、第2四半期(6.73%)と比べると上昇しており、米中貿易戦争にもかかわらず、ベトナム経済が安定的に成長していると見ている。

分野別では、農林水産業(前年同期比3.46%増)、製造・建設業(同8.61%増)、サービス業(同6.87%増)の成長が目立った。

計画投資省傘下にある統計総局のグエン・ビック・ラム総局長が、9月28日にハノイ市内で会見した。9カ月間の統計報告をもとに、「さまざまなマクロ経済指標は、今年年初にベトナム政府や首相の適切な指導や、関連当局の努力の成果を表している」と説明した。

ラム総局長はまた、農業・産業・水産業・生産加工業・輸出業などが、ベトナムの経済発展を牽引していると分析。「生産能力は、拡大しており、次年度の経済発展の基盤となるだろう。失業率も、少しずつ減少しており、社会保障制度への関心が高まっている」と話した。

このほかの経済指数も、ベトナム経済の明るい兆しを示している。日本経済新聞(日経)によると、購買担当者指数PMI)が好調で、営業心理も楽観的になっており、3月に51.6だった指数は、6月に55.7となり、その後8月も53.7で高止まりしている。

製造業なども好調で、1~9月の製造業消費指数は、前年同期比12.2%増。9月の製造業在庫率は63.8%で、過去もっとも低い数値となった。2018年9月1日の製造業従事者数も前月比1.1%増え、前年同月比でも3%増加した。