ベトナム農産物の価値向上へ、トレーサビリティの導入を=ホーチミンで食品フォーラム

「農業分野への先端技術の導入は、ベトナムの農産物の収穫量と品質を向上させ、グローバルバリューチェーンへの参入を可能にする最も重要な要素の1つだと考えられる」

ホーチミン市で11月に開催されたベトナム食品フォーラムでは、農業への技術導入の重要性が議論された。

写真㊤=ベトナム食品フォーラムで挨拶する商工省のドー・タン・ハイ副大臣

このフォーラムで、商工省のドー・タン・ハイ副大臣は、「今年のフォーラムの目的は、テクノロジー時代における農作物や食品の世界的な開発動向と、農産物と食品加工への技術導入の経験を共有することだ」と述べた。

ホーチミン市の米国領事館で上級農業職員を務めるジェラルド・H・スミス(Gerald H, Smith)氏は、農産物と食品の貿易に関する国際基準の重要性について語り、「国際基準はWTOによって支持されている。この基準は、WTOの義務を順守した国の食品安全システムを導入する際のコスト削減に役立つ。植物、動物、加工食品の健康と安全性を確保する基準となる」と指摘。さらに、FAO/WHO合同食品規格委員会(コーデックス委員会)、国際獣疫事務局、国際植物防疫条約という3つの国際基準認定機関についても言及した。

ホーチミン市先端技術協会の代表、ダオ・ハ・チュン博士は、ブロックチェーンを用いた農産物のトレーサビリティ技術について語った。チュン氏は、「世界最大の小売業者であるウォルマートは、サプライヤーに対し、食品安全と信頼性を確保するため、ブロックチェーンによるトレーサビリティを採用するよう求めている」と述べた。

このトレーシングシステムは、まず、農家が果物を収穫して販売業者に売り、販売業者はプラットフォームにログインして、果物に関する情報をアップロードする。ここで取引とQRコードが作成され、果物がスーパーマーケットの棚に並ぶまで、これらの流れを追跡する。包装、輸出などを行うそのほかのステークホルダーも、プラットフォームにログインして、処理情報をアップする。

チュン氏は、「このシステムを、ベトナムと世界のサプライチェーン、消費者、ベトナム当局に提供すれば、ベトナム製品の価値と品質は向上するだろう」と述べた。

この食品フォーラムでは、ベトナム企業と30の輸入業者やスーパーマーケット、ショッピングモール、小売業者が参加するビジネスマッチングも行われ、エム・メガ・マーケット、ビンマート、サイゴンコープ、ハプロ、サトラ、ウォルマート(米国)、CJ(韓国)、ロッテ(韓国)、イオン(日本)、セントラルグループ(タイ)などが参加した。

フォーラムは開催された食品と食品産業に関する国際貿易見本市「ベトナムフードエキスポ」の一環として、実施された。