ハノイ市、協同組合の活性化支援展開へ 運営の効率化や市場開拓など

ベトナム経済のなかで、企業とともに重要な経済活動の担い手となっている組織が協同組合だ。その発展と支援を強化しようと、ハノイ市人民委員会はこのほど、協同組合むけの発展支援プログラムを策定し、来年から20年にかけて実施していくとする計画を発表した。

ベトナムは協同組合を多くもつ社会で、ベトナム協同組合連盟は、ベトナム商工会議所に次ぐ規模であるなど、ベトナム経済における協同組合の役割は大きい。しかし、運営が旧態依然としているなど、近年、課題が指摘されていた。

ハノイ市が企画するプログラムは、協同組合の近代化によって経済活動全体の活性化につなげるというもので、市では人材育成支援に加え、それぞれの協同組合の商業活動や市場開拓などをサポートしていくという。具体的には、新たな販路や取引先を求める協同組合のために、商品PR活動などへの参加条件緩和など、より参加しやすい環境を作るという。

特に、市が重要視するハイテク技術を応用した花や果樹の栽培、低農薬栽培など安心安全な野菜類の栽培やその製品加工、販売、そして畜産と魚介類の養殖といった農業協同組合への支援は、手厚く行う考え。まずは、団体が新たな協同組合を設立したり、個人が既存の組合などに参加したりできるように、情報を発信し、コンサルティングや教育訓練などを実施していく。

ハノイ市は、この取り組みによって、2020年末ごろまでには、同市内の協同組合の80~90%で成果が上がり、非効率的な協同組合が淘汰されると楽観視している。計画では、協同組合の8割は人材育成を受けた人材が担い、その60%を大学や短大卒の有資格者にするとしている。

その実現にあたって、注目するのが効率化だ。例えば、分野が重複するなど非効率的な協同組合があったり、同業で複数の団体が存在したりする場合は、協同組合同士の合併を促す。

ベトナムの経済発展のためには、基礎となって支える共同組合の発展が不可欠だ。組織力の強化や管理能力の向上、職員や人材の教育訓練、市場開拓の促進や製造や加工の施設類の近代化などが大きな課題となっている。一方で、法律や政令などもかかわる分野でもあり、ハノイ市ではそれらの改変や改善にもつなげたいと意欲を示している。