2018年消費者物価指数 上昇率、政府目標の「4%以下」を達成

ガソリンや豚肉の価格高騰などの予想外の物価変動によって、昨年最後の数カ月間は物価が上昇傾向となり消費者物価指数(CPI)に大きく響くと見込まれた。だが、政府の柔軟な早期対応が奏功し、海外市場の変化なども追い風となり、最終的にCPI上昇率は通年で前年比3.54%と、政府目標の「4%以下」を達成した。

年末の起死回生で目標達成
このほど行なわれたベトナム統計総局、国内市場管理チームの定例会議で、ター・ティ・トゥ・ベト価格統計局長は、「11月のCPIは前月比0.29%下落。2018年1~11月では前年同期比3.59%増に抑えられた」と発表した。

これが注目に値するのは、それまではベトナムでは物価上昇傾向が続いており、国会で制定されたCPI上昇率「年間4%以下」の目標達成のため、価格管理措置などが実施されてたったひと月しか経っていなかったからだ。

影響が大きかったのが、11月の国際的な原油価格下落だ、ニューヨークとロンドンの両市場での原油価格は、ピークだった10月と比べて30%も下落。昨年の最低価格となる1バレル当たり60ドルまで落ち込んだ。これが、ベトナム国内でのガソリン価格の上昇を抑え、11月のCPI 上昇に歯止めがかかった。

高騰が続いていた豚肉も、11月に1キロあたり5万ドン以下にまで価格が引き下げられた。農業農村開発省の農産物生産加工や市場開拓などを担当する部局は、「豚肉の供給過多が(価格下落の)原因」と分析した。

さらに、海外市場でのガス価格が落ち着いたこと、そして国内の生鮮野菜価格の安定や電力消費の減少なども、CPI上昇の抑制に寄与したという。

2019年第一四半期の予想
ベト価格統計局長によると、12月も市場の商品供給は十分あり、海外でも原油の値上がり傾向は見られなかったことから、物価が安定。「12月のCPIに影響する要因は、最低賃金の引き上げによる医療費の上昇くらいだ」と見ている。

商工省国内市場局のグエン・ロック・アン副局長によると、現時点では、海外の原油市場に値上がりの兆候は見られないという。ただし、ベトナム国内では、環境税の導入によって2019年の早い時期に1リットル当たり1000ドンの値上がりが予想されているうえに、同時期に電気料金の引き上げの予定もある。2月初旬には旧正月(テト)も控えており、テト前と休暇期間中は物価が上がると予測され、アン副局長は「2019年第1四半期もCPIを慎重にコントロールしていく必要がある」と話した。

ベトナム統計総局でも、石油と石油製品にかかる環境税の導入や、電気料金の値上げ、テトの特別価格などが影響すると見ており、今年第1四半期のCPIは前年同期比3.6~3.85%上昇すると見込んでいる。しかし、国会で制定された4%の物価上昇は0.15~0.4%下回ると予想している。