技術で市場を席捲 信頼の品質
ベトナム進出から19年。タイ系の印刷会社、スタープリント・ベトナムが印刷市場で存在感を示している。最新技術を積極的に導入することで他社にまねのできない高品質な製品を開発し、業界のリーディングカンパニーとして注目されている。

写真㊤=コンピューター制御の最新技術で、繊細な加工を施した化粧箱

2001年、ドンナイ省のアマタ工業団地には、多くの海外企業が進出した。同社もそのうちの一社で、進出した理由は、日用品大手、ユニリーバ―・ベトナムの高品質なパッケージなどを請け負うためだった。2年後には、少年少女向けの漫画生産ラインと、ノウハウをタイからベトナムに技術移転した。

最初の仕事はコルゲート社の練り歯磨きの箱だった。その後は、子供向けの色鉛筆の箱やブランド品の化粧箱など、より高級なパッケージを製造するため、最新の技術を導入。国際的な品質基準を満たすため、ISO 9000、14001、18001のほか FSC、BRC、ISO、GMI、ICTP、BSCIなどの認証取得も進めてきた。

顧客からの高度なニーズにこたえる努力を重ねるうちに、印刷業界のリーディングカンパニーとして認められるようになった。

専門技術で市場を席捲
2万900平方㍍を誇る最新設備の整った工場では現在、約1000人の従業員が働く。顧客の要求にこたえるために、常に設備やシステム、素材の大胆な改善を心がけている。特に、グラフィックデザイン部門は、顧客の要求を印刷に落とし込むまで、幅広い責任を有している。

製造面では、組版用コンピューターのデータから直接印刷版を出力するコンピューター・トゥ・プレート(Computer To Plate)を導入。さまざまなニーズに対応できるよう、1時間に1万6000枚の印刷が可能なドイツ製最新印刷機や日本の小森コーポレーション製など、複数の印刷機を使い分けている。


同社のタン・タイソンチャイ副支社長

タン・タイソンチャイ副支社長は、「わが社は、ベトナムで最も充実した印刷技術を導入し、効率的でコストパフォーマンスの高い方法で操業をしている」と話す。

同社には、スキルアップに向けて従業員が互いに助け合うなど家庭的な企業文化がある。また、その製造技術のみならず、印刷業界の持続的な発展への寄与でも高い評価を得ている。