テト伝統の風物詩を外国人観光客らに紹介

旧正月(テト)は、今年は西暦の2月5日だ。ベトナムでもっとも重要な祭事を前に、ハノイ市各地では、「昔の新春」というテーマで、イベントが繰り広げられた。ハノイ旧市街では、民俗芸術家らとともに、興味深い文化活動が行われ、多くの市民や外国人観光客らが訪れた。

イベントでは、訪れた人が、ベトナム人が信仰を実践するテトの礼拝の場面を直接見たり、昔なつかしい家庭でのテトの雰囲気を味わったりすることができる。ハノイのさまざまな遺跡や、ホアンキエム地区の旧市街などを舞台に繰り広げられ、キムガン神社では、ベトナムの伝統的なテトの飾り付けなどが、人々の注目を集めた。

マーマイ通り87番地の「歴史遺産の家」では、昔のベトナム人のテトの生活を紹介。緑の樹木などを使った飾り付けや、お茶の飲み方の作法などが再現された。

2019年は、ベトナムの干支ではブタ年。経済や精神が安定する年といわれており、そのイメージが、伝統的な絵だけでなく現代の飾り物にもモチーフとして使われている=写真㊦。

また、昔の生活の再現コーナーでは、ワラや木を燃料に使って煮炊きをしていた昔の炊事を紹介。竹材で作られた昔の家庭用品や、ベトナムの農業を象徴する稲作や牛水、祭りの料理などが展示された。

アオザイなどの伝統的な服装や暮らし方に加えて、鳥遊び、絵遊び、漢字の書道なども、テトには欠かせない伝統的な風習だ。

かつてのテトは、人々が一年をかけてお金を節約し、迎える準備をしていたほど重要な祭事だった。現代では、「家族と楽しく過ごす時間」という考えが主流になっているが、変わらず伝統的な風習も受け継がれている。