「政策、法律、労働力を評価」、日本企業がベトナムへ投資する理由とは

ジェトロ・ホーチミン事務所の滝本浩司所長=写真=は、Vietnam Economic Newsの取材に応じ、日本企業のベトナムにおける投資実績やその動向について語った。

――ベトナムにおける日本の投資状況をどのように評価していますか

「私たちはベトナムの経済発展への潜在力を高く評価し、ベトナムのパートナーと貿易・投資面での関係強化を期待している。2017年、日本はベトナムにとって最大のFDI投資国であり、その額は過去最高の91億1000万ドル(約9,976億円)に上っている」

「2018年1~11月期では、日本の投資額は以前トップであり(約80億ドル、約8,760億円)、外資総額の4分の1以上を占めている。日本企業のうち約65.1%はベトナムの事業で利益を上げ、さらに70%近くは事業拡大を検討している。これらの数値は地域の他の国々の数値より高く、ベトナムは引き続き、日本の投資家にとって重要な投資先になると確信している」

――日本の企業はベトナム市場を研究し、ベトナムにおける流通システムを拡大してきました。その動向をどう分析していますか

「ベトナム市場における日本製品の人気は、一層高まっている。政府やジェトロのような機関の強力なサポートにより、日本の企業は海外への進出を強化してきた。日本企業は高品質の製品をPRしたり、パートナーや販売代理店を開拓するためにベトナム市場をリサーチするが、彼らは同時に、日本の消費者のニーズに合ったベトナム製品も求めている」

――日本企業はベトナムの投資環境を、どのように評価していますか

「日本の投資家は、明確な政策、安定した法律環境、若く訓練を受けた労働力を持つ点で、ベトナムを高く評価している。ただ、このようなアドバンテージがある一方で、東南アジアにおけるベトナムの平均賃金は6位にとどまっている」

「日本の投資家は、税務や関税を含む行政手続きにおいて地方当局の支援を受けている。インフラを整備し、工業団地の廃棄物処理や電力システムが改善されたことで、迅速な投資決定が可能になった」

――今後、日本からの投資の見通しは

「ベトナムは、ASEANでGDP成長率が最も高い国の1つだ。日本企業の多くは、ベトナムのパートナーとwin-winの関係を構築したいと考えており、有能な地元企業が長期的なパートナーとなり、グローバルのサプライチェーンに加わることを期待している」