日系企業、増益見込みが6割=ベトナムの位置付け、一段と重要-ジェトロ調査

 【ハノイ時事】日本貿易振興機構(ジェトロ)ハノイ、ホーチミン両事務所は4日、ベトナムに進出した日系企業の活動実態調査(2018年度)の結果を発表した。それによると、2019年の営業利益が前年より改善すると見込む企業(製造・非製造業の合計)がほぼ6割を占め、横ばいも合わせると約95%に達した。ベトナム経済の成長持続を背景に業況好転への期待が高まっている。特に非製造業は「改善」が6割を超え、個人消費の伸びへの手応えを感じる企業が増えていることを印象付けた。

 ベトナム事業を拡大する方針の企業が7割で、拡大の理由(複数回答)では「売り上げの増加」「成長性、潜在力の高さ」が目立つ。ベトナムの魅力でも3分の2が「市場規模・成長性」を挙げており、日本企業の世界展開の中での位置付けについて、ジェトロは「ベトナム拠点の役割はこれからも大きくなっていく」(北川浩伸ハノイ事務所長)と展望している。
 投資・事業に関するリスク(同)では「人件費の高騰」が引き続きトップ(60.4%)ながら、前年を1ポイント余り下回った。半面、2位の「法制度の未整備・不透明な運用」(48.2%)は前年より微増。日系企業からは「税制が複雑で頻繁に変更される」「自動車産業保護政策がどうなるのか分からない」などの声が寄せられた。
 製造業にとって課題の「原材料・部品の現地調達率」は36.3%と前年より約3ポイントの改善。他国との比較では、初めてマレーシアを上回った。ただ、地元企業からの調達は14.4%と依然低水準で、裾野産業の底上げが急務であること示している。
 ハノイ事務所の記者会見には、ベトナム計画投資省外国投資庁(FIA)のド・ニャット・ホアン長官らも出席。ホアン長官は自動車産業政策について、「商工省、財務省と連携し、どのような方針にするか明確にしていく」と語り、不透明な行政手続きの改善も検討すること明らかにした。
 調査は、ベトナムや東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国、北東・南アジア、オーストラリアなど20カ国・地域の日系企業に対して昨年10~11月に実施。ベトナムの回答企業数は787に上り、各国・地域の中で最も多かった。