2019年のFDI滑り出し好調 1~2月、前年比2.5倍

ベトナム計画投資省の外国投資省庁(FIA)は、今年1~2月の外国直接投資(FDI)が、前年同期の約2.5倍と好調に推移したと発表した。投資額は約84億7000万ドルにのぼった。ベトナム経済の好調を反映して、製造加工業、科学技術、不動産の分野が中心となった。

FIAによると、1月のFDI は前年同月比51,9%増の19億ドルで、18件が新規の投資プロジェクトだった。ベトナムに投資した51の国と地域のうち、1月のFDIトップは日本で、全体の19%を占める3億6400万ドルだったが、2月に入り、5位に後退した。2月は香港からの投資が最も多く、ついでシンガポール、韓国、中国となった。

2月の投資先で最も投資認可額が大きかった、直轄都市・省は、首都のハノイだった。ホーチミン市、バクニン省、ビンズオン省などと続いた。ハノイ市へは香港のビール会社の出資や、バクニン省へは香港企業による電気通信関係の工場建設など、大型投資があった。

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2019年に入ってからのベトナムへのFDIは好調に推移しており、ベトナム経済の発展をにらみ、各国がさらなる投資に期待を寄せている。

ハノイ市北部、ビンフック省にある第三タンロン工業団地の信田剛希社長は、「日本からベトナムへの投資は徐々に増えている。この工業団地の第一フェーズではすでに8社の進出が実現しているが、完成時には日本企業の数は80社に達する予定だ。製造加工業や裾野産業、エンジン製造、自動車やバイクなどの部品製造、精密機械製造など、多岐の分野にわたることになるだろう」と展望を語った。

一方、台湾の在ハノイ経済文化事務局は、ベトナムへの投資を計画する台湾企業の多くは、ハイテク技術分野が多いという。こちらも今年を含め、今後数年間、企業のベトナム進出の波が続くと予測する。

昨年調印された環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)や、近く調印予定のEU-ベトナム自由貿易協定(EVFTA)なども、ベトナムの今年のFDIを加速させる好機となりそうだ。

在ベトナムオーストリア大使館では、EVFTAの締結などの環境整備やベトナムの市場環境などを高評価しており、「オーストリアからの投資は今後、増えるだろう」との見方を示した。鉄道や道路などの交通インフラの整備と建設、通信技術分野や健康観光などの分野に、オーストリア企業が高い関心を示しているという。