バナナの葉で食品包装 フック首相、プラスチックごみ削減の小売業界を賞賛

ベトナムの大手小売店などを中心に、商品のビニール袋やプラスチックケースなどの過剰な包装をやめ、代わって自然素材を活用する取り組みが始まっている。環境破壊やごみの増大などの原因として社会的に問題視されているプラスチック廃棄物を削減するためのこれらの試みを、グエン・スアン・フック首相は高く評価し、このほど国内の複数の大手小売店に対し、賞賛の手紙を送った。

手紙は今月4日、コープマート・ベトナム、サイゴンコープ、ビッグCのハノイ店とダナン店に送られた。その中で、フック首相はこれらの大手小売会社が、「ビニール袋の使用削減に前向きに、効果的に取り組み、環境保全やごみ削減につながる社会習慣の変革に大きく貢献した」と記した。

手紙で、フック首相は、今後も流通小売業界が、経済界、政府などと協力するとともに、飲食やホテル業界なども巻き込み、ビニール袋の使用やプラスチック廃棄物の削減を実行していくことなどを訴えた。

また、ベトナム天然資源環境省や関係する他の省庁、各地の人民委員会などに対しても、環境に易しい製品の使用を促進し、より健康的な生活と持続可能な発展のために、少しずつビニール袋の生産と利用を減らしていくよう呼びかけた。

ベトナムではしばらく前から、世界各地から潮流にのって沿岸に漂着する海洋性のプラスチック廃棄物や、国内でのプラスチックごみやその処理による環境破壊、健康被害などが懸念されていた。

これを受けて、小売大手のコープマートやビッグCなどでは、生鮮食品の包装にビニール袋やラップ素材などを使う代わりに、バナナの葉など天然素材を使う試みを始めた=写真。小売大手のサイゴンコープは、来月からプラスチック製ストローの使用をやめて、紙製などに切り替えると発表していた。

流通業界のこのような動きに対して、消費者の反応は好意的で支持も高いという。また、プラスチック廃棄物の抑制に効果があるとして、試みも注目を集めていた。