財政赤字、19年も高水準=GDP比5.7%に-フィッチ

 格付け大手フィッチ・レーティングスの調査子会社フィッチ・ソリューションズは先ごろ、ベトナムの財政赤字の見通しに関するリポートを公表した。この中で、利払い費も含めた赤字額の国内総生産(GDP)に対する比率は2019年に5.7%と、依然高水準になると予想した。ベトナム・ニュース紙(電子版)が伝えた。

 19年見通しの5.7%は、18年の推計比率である5.8%をやや下回るものの依然高水準。この要因としてフィッチは、国有企業からの政府出資引き揚げの遅れ、各種自由貿易協定締結に伴う輸入関税の収入減を挙げた。
 ベトナム政府は17年に135社、18年には181社、20年までには計406社の国有企業から出資を引き揚げる計画を策定していた。しかし、実際の引き揚げは17年に13社、18年は52社にとどまっている。このためフィッチは、「出資引き揚げペースの緩慢さが、今後も歳入増いとって重しとなる」と分析。また、世界経済の成長鈍化懸念から株式市場で相場の下落、変動があれば、株式新規公開を目指す国有企業への投資家の関心をそぎ、歳入減につながるとみている。
 一方、輸入関税収入については、「特に、包括的および先進的な環太平洋連携協定(CPTPP)に基づき輸入関税が徐々に撤廃されることで、今後関税収入確保への重荷となる」としている。
 フィッチは、財政赤字は今後拡大する可能性が高いとして上で、政府は財政健全化よりも成長を優先することもできるが、その場合、歳出財源をさらに借り入れで捻出することになり、利払い増加が財政赤字拡大への長期的な圧迫要因になると注意喚起している。(時事)