ベトナムで注目高まる電動バイク メーカー相次ぎ市場に参入

ベトナム初となる国産自動車の製造に乗り出したビングループ傘下のビンファストは昨年11月、電動バイクブランド「クララ(Klara)」=写真=を発表した。このように、ベトナムの電動バイク市場に、国内外の多くのメーカーが相次いで参入している。価格や知名度が劣るため、販売台数ではまだ、従来のガソリン式のバイクが主流だが、市民らの注目は確実に高まっているという。

ビンファストの電動バイク発表に続き、ベトナムでは、大手のホンダをはじめ、日本のベンチャー企業で、インドで自社製電動三輪バイクを販売する「テラモーターズ」や、ベトナムの電動バイクメーカー、ペガ(Pega)などが、新商品を次々と発表した。

ホーチミン市5区のアンズオン・ブオン通りでバイク販売店を営むヒュイン・バン・タインさんは、最近の消費者の動向として、従来のガソリンで動くバイクよりも電動バイクへの注目が強まっているという。「新技術が導入されていて故障が少ないうえ、見栄えも、品質も、従来のバイクと比べそん色ないと評価されている」と、タインさんは説明する。

電動バイクの時速は40~60キロ程度。一回の充電で50~90キロメートルの距離を走ることができる。価格帯は、1200万~6800万ドン(516~2927ドル)が主流で、材質、搭載された技術や機械、バッテリー能力などによって、金額が変わる。多くのメーカーが、製品に最大2年の保証をつけているという。

今年は、さらに多くの主要メーカーが、ベトナムの電動バイク市場に参入すると見込みだ。

ホンダベトナムは先月、ハノイ市で、新商品の電動バイク「PCX Electric」を発表した。一回充電すれば、時速30~35キロで約60キロメートルの走行が可能。バッテリーは約6時間で充電が完了する。

イタリアのバイクメーカー、ピアッジオも近く、人気バイク、べスパの電動版となる「べスパ・エレットリカ」の輸入販売を始める。1回の充電での最長走行距離は100キロ、寿命が10年間というバッテリーが自慢だ。運転を補助する認識システムや危険探知装置なども備えている。
タインさんによると、ベトナムでの電動バイクは最近、注目度が高まっているものの、購入は従来のバイクには及ばないという。「しかし、製品を出しているブランドは増えており、利点も多い。製品を試乗して、そのよさを実感してほしい」と話している。