ラベル・パッケージ印刷産業、年7%成長と熟練者不足の課題

ベトナムのラベル・パッケージ印刷産業は、グローバルの統合化やデジタル印刷技術の革新に伴い、競争力強化に向けた戦略転換が求められている。

写真㊤=グローバル経済の統合化の中で、ベトナムの印刷会社には、生き残りをかけた技術革新が求められている

■何百もの海外企業が投資
製品加工や化粧品、医薬品、食品、電子産業の急速な成長を受けて、ラベル・パッケージ印刷業界も発展を続けてきた。ベトナム印刷工業会(VPA)によると、ラベル・パッケージ印刷業界は、年7%以上の安定した成長を遂げており、何百もの海外企業が投資し、投資資本もますます増加している状況だ。

VPAのグエン・バン・ドン会長は、Vietnam Economic Newsの取材に対し、「ベトナムの印刷業界は、新しい発展の時を迎えている。世界の印刷市場の中心がアジアに移りつつある中、ベトナムは海外投資家にとって魅力的な投資先となった。ベトナムが持つ開かれた経済と多くの自由貿易協定(FTA)は、印刷業界にさまざまな発展の機会を提供している」と語った。

■技術と人的資源の開発を
一方で、ドン会長は、「印刷業界の中で、とりわけラベル・パッケージ印刷の分野は、海外市場へのアクセスの弱さ、品質の低さなど多くの課題に直面している。品質が高く、国際基準に則った製品のほとんどは、海外企業によって生産されている」と指摘する。

ドン会長は、こうした問題の一部は、高度人材の不足にあると考えている。「ここ数年、海外企業がベトナムに進出する際には、熟練者を連れてきたり、トレーニングを受けたベトナム人労働者を雇用したりしている。また、彼らは、最先端の機械設備を最大限に活用している」と言う。

さらに、「ベトナム企業も、先進的な機械設備を導入しているが、十分に活用できていないため、世界市場での競争力は低い」と指摘し、「国内で製造できない機械設備に対しては、不合理な輸入税が課される。印刷会社設立に関する規制にも不備がある」と述べた。

フイン・アイン・クォア社(Huynh Anh Khoa Co., Ltd)で、研究や専門家のトレーニングを担当するグエン・タイ・ズン氏は、「ベトナムの印刷会社が、国内外での競争に勝ち残り、顧客を引きつけるためには、生産基準、管理、製品の面で国際的なレベルに達しなければならない。熟練労働者の確保と技術面への投資は、これらの目標達成のために不可欠である」と語る。

技術と人的資源の開発は、ベトナムの印刷業界にとって最も大きな課題と言えそうだ。