競争激化する小売業界 国内企業の保護求める声も

商工省の国内市場管理チームによると、今年第1四半期の小売業界の売上高は前年同期比13.4%増910兆ドン(約4兆2000億円)となり、国内全体の取引の76.8%に当たる額となった。小売業界では海外勢の進出が相次ぎ、競争が激化。規模の小さな国内業者の保護を求める声も高まっている。

ベトナムは国民の平均年齢が30歳と若く、安定的な経済成長が続いている。また、貿易の自由化もあり、小売市場は活況を呈している。こうしたなか、海外企業の進出も盛んで、仏大手オーシャンのシンプリー・マートを北部に出店。他にも韓国のロッテ、日本のイオン、サークルK、ファミリーマート、タイのセントラル・グループなどが事業を拡大している。

しかし、ベトナム国内の小売業界は、ビングループやサイゴンコープをのぞいてほとんどが中小。国内外のライバルとの競争に苦戦を強いられている。その点、大手は資金も潤沢で経営スキルやマネージメントも豊富。店舗拡大の手っ取り早い方法として企業買収も進む。

こうしたなか、国内業者への優遇策を求める声が上がり始めた。ハノイ・トレード・コーポレーションのグエン・ティエン・ブオン・ジェネラル・ディレクターは「政府は、国内外や新旧の業者間の、フェアで健全な競争を促すビジネス環境づくりをすべきだ」としたえうえで、「国内業者向けにブランディングや職業訓練、販売促進などの支援策や、立地のよい場所をリーズナブルな価格でリースするような優遇策を導入すべきだ」と訴えている。