銀行預金金利の引き上げ相次ぐ=ドン安進行など背景、貸出金利への影響懸念も

 ベトナム国家銀行(中央銀行)の指導や外国為替市場でのドン安進行を受け、ベトナムの主要銀行は預金を集めるため金利の一段の引き上げを余儀なくされている。このため、預金金利上昇が貸出金利の上昇にもつながるとの懸念が生じている。ベトナム・ニュース紙(電子版)が伝えた。

 ベトキャピタル銀行は24~60カ月物預金に8.6%の金利を適用しており、オンラインでの預金にはさらに高い8.7%を提供している。ナムア銀行も8.3~8.45%と高金利を提供する。また、多くの銀行が高金利の譲渡性預金(CD)を発売している。
 預金金利引き上げの背景としてアナリストらは、国家銀が、銀行が長期貸出に振り向けられる短期資金の比率を、従来の45%から40%に引き下げる政策を発動したため、安定した長期預金獲得に動いていることが大きいとみる。
 しかし、ここへきて預金金利上昇の引き金となっているのは、米中貿易摩擦の激化に伴い、ドルがドンを含む各国通貨に対して値上がりしていること。ドル人気に対抗して預金を集めるため、銀行は高金利を提供せざるを得ない情勢になっている。
 預金金利上昇が貸出金利に跳ね返ることへの懸念もあるが、国家銀のダオ・ミン・トゥー副総裁は4月に開いた企業との会議で、銀行に対して年内は貸出金利を据え置くよう指導したことを伝えた。しかしアナリストらは、米中摩擦、電気料金や燃料価格引き上げによるインフレ圧力など、内外の要因により、貸出金利据え置きは困難になるとみる。国家銀は2019年の銀行貸し出しを前年末比14%増にとどめる方針で、こうした政策も銀行の貸出金利引き上げの背景になるとみられている。(時事)