ビングループ傘下企業でベトナム初となる国産自動車メーカー、ビンファスト社の自動車製造プラントが完成し、今月14日、グエンスアンフック首相らが参加して完成記念式典が行なわれた。ビンファストは、ベトナム最大の民間企業のひとつ、不動産大手ビングループの傘下企業。

完成したのは、355ヘクタールにも及ぶビンファスト社の電動バイクや自動車の製造拠点のなかでも中核となる製造工場。本来は今年9月に運用を開始する予定だったが、計画が前倒しされ、着工からわずか21カ月で完成した。

製造工場は広さが、50万平方キロメートル。当初の自動車年間生産台数は25万台とされているが、拠点の第2段階の整備終了の地には、50万台にまで生産台数を引き上げられる。

施設では、ボディのプレス加工や溶接、塗装などに始まり、組み立てやエンジン作成などの工程を自動化した高度生産ラインを実現したベトナム初の国産自動車工場となる。ベトナムで自動車の主要部品を製造できる唯一の拠点となった。

完成記念式典で、フック首相はスピード開業にこぎつけたビンファスト社の努力を「ベトナムと世界の自動車業界における奇跡だ」と称え、「同社の成果は、民間企業をベトナム経済発展の原動力をみなす党中央委員会の方針の正しさを証明するものだ」と述べた。また、ベトナム政府が今後も意欲ある投資を支援していく姿勢を明らかにした。

一方で、ビンファスト社に対しては、高品質の商品を製造し、顧客のもとに迅速に届けるよう要請した。また、ベトナムの自動車産業全体の底上げのために、他の自動車関連企業との連携を深めるよう促した。

同社の小型車「ファディル(Fadil)」は今月17日に出荷が始まった。一方、セダン車の「Lux A2.0」とスポーツ用多目的車(SUV)「Lux SA2.0」は、7月下旬に市場に出荷される予定。さらに、今後2年間で12モデルの電動バイクを市場に投入していくことを計画している。