中国で需要高まるベトナムの水産物、今年の輸出額は15億ドルに

今年、ベトナムから中国への水産物輸出額は、15億ドル(約1609億円)に達すると予測される。Vietnam Economic Newsはこうした市場予測の背景について、ベトナム水産輸出加工協会(VASEP)のチュオン・ディン・ホエ事務局長に話を聞いた。

写真㊤=中国へのエビの輸出は増加している

-中国の水産物需要について教えてください。

「中国の水産物の輸入需要は年々増加しており、300万トンを超えている。中国の消費者は、安全性の面から海外産や天然の水産物を好んで購入し、また欧米市場で受け入れられた品物を買う傾向にある。ベトナム産のバサは、米国市場で販売されるようになってから中国への輸出が増加した」


VASEPのチュオン・ディン・ホエ事務局長

-ベトナム企業は通常、(海上輸送ではない)国境貿易を通して中国へ水産物を輸出している。最近は、どのように貿易を行っているのですか。

「確かに、多くの企業が国境貿易を通して中国へ水産物を輸出しているが、この種の貿易は非常にリスキーであるため、いくつかの企業は海上輸送による輸出を始めている。これは漁業にとって良い兆候であり、将来的には海上輸送が、水産物輸出の主要手段になると考えられる。ベトナムと中国の両政府が、国境貿易詐欺を取り締まり、品質管理を強化したことで、水産物の輸出業者も公式の貿易手段を利用するようになった」

-2019年の対中国の水産物輸出目標は。

「2019年の対中国の輸出目標は、15億ドルを超えると設定した。18年は13億ドル(約1395億円)だったが、中国の水産物需要は伸び続けているため、この目標は確実に達成できる。中国の大都市では、仲介業者とのやり取りを最小限にするために、ベトナムとの(直接的な)漁業貿易に関心が注がれている。中国ではEコマースの発展も目覚ましく、ベトナム企業は中国全土に水産物を紹介することができる」

「また、品質向上に向けた企業努力とは別に、輸出信用状を含む国境貿易での当局の厳重な管理は、中国への輸出品の品質安定や企業間の公正な競争、ベトナム水産物の評価を確保するためにも重要だ」

ベトナムは、中国にとって第3の水産物輸出国であり、主にエビやバサを市場に輸出している。中でもブラックタイガーは、過去5年間の中国への水産物輸出で高い割合を占めており、時には年間最大で50%を占めることもある。