外国企業が物流・小売り大手に積極出資=経済主権に不安の声も

 ベトナム国内の物流、小売り部門で外国企業による大規模な出資案件が相次いで公表されている。経済発展を受け、ベトナムは外国企業に内国民待遇を与え、内外企業を公平に扱わなくてはならなくなっている。こうした機会を生かして外国企業は他の主要産業部門にも積極投資しており、国内産業界から不安の声が出ているという。ハノイ・タイムズ紙(電子版)がベトナムネットを基に伝えた。

 住友商事は9日、子会社のSSJコンサルティングを通じ、ベトナムの物流大手ジェマデプト・コーポレーションの株式10%を取得すると発表した。これにより、ジェマデプトは外国株主が過半を占め国内株主の株式保有はごくわずかになる。また、同じ日本の三井物産は、エビ加工最大手のミンフー・シーフードに35%出資すると発表した。
 このほか、サイゴンビール・アルコール飲料総公社(サベコ)には、タイの飲料大手タイビバレッジが50億ドルを投じて経営権を取得した。
 小売業界ではタイ、韓国、日本、米国などの大手企業が積極投資している。こうした中、スーパー「ビッグC」を運営するタイの小売り大手セントラル・グループが先ごろ、ベトナム製衣料品の仕入れをやめると発表したことで、国内に警戒感が広がった。
 世界貿易機関(WTO)加入後の「グレース・ピリオド」(猶予期間)は2018年に終了し、ベトナムは公正な競争、内国民待遇などを保証しなくてはならない。小売り大手ビングループ、マサン、MWGといった企業が外国投資家に株式を売却しており、経済主権が失われるとの懸念も一部に生じているという。(時事)