マツモトキヨシ、ベトナムに進出=健康意識の高まり背景に

ドラッグストア大手のマツモトキヨシホールディングス(HD)は、流通卸売業などを手掛けるベトナムのロータス・フード・グループと、合弁事業を推進することで合意した。ベトナムでは近年、健康や美容に対する意識が高まっており、ドラッグストアの出店を通してこうしたニーズをつかみたい考えだ。

具体的な出店時期などは明らかになっていないが、マツモトキヨシHDの広報担当者は、「ベトナムは新興市場であり、新しく店舗を開く余地は十分にある」と語った。

写真㊤=東京のドラッグストア「マツモトキヨシ」の店舗(Shutterstock)

同社は海外展開を進めており、6月末現在でタイに33店舗、台湾には3店舗を出店。香港にも近く進出する計画がある。

ベトナムでは中間所得層の増加により、健康関連商品への関心が高まっている。市場調査会社のユーロモニターによると、昨年ベトナムの「健康商品と医療サービス分野」は、最も支出の多い上位6分野に含まれた。

米国の情報テクノロジー会社、IMSヘルスによると、ベトナムは、いわゆる「ファーマージング市場」と呼ばれる17の国に属し、世界の製薬産業の中心となることが予想される。医薬品市場は、今後5年間で年間10%の伸びが見込まれている。また、世界的な調査会社のBMIリサーチは、2015年から18年にかけて、医薬品市場は年間16%の成長を遂げ、現在の売上高は100億ドル(約1兆772億円)を超えるとも指摘している。

ベトナム統計総局によると、同国では医薬品需要の半数以上を輸入に頼っており、とりわけ特許取得済みの製品が多い。今年上半期の輸入額は、前年比11.9%増の15億2000万ドル(約1637億円)に達した。