ロボットメーカーのABB社「ベトナム製造業の導入増加、生産性、安定性を評価」

ベトナムの製造業におけるオートメーション(自動化)システムの進展について、ベトナム経済ニュースは、世界的なロボットメーカーであるABB社のベトナム法人、ABBベトナムでローカルビジネスマネージャーを務めるフイン・フォン・フー氏に話を聞いた。フー氏は、ロボティクス(ロボット工学)とディスクリート(個別)オートメーション部門に所属している。

-簡単にABBベトナムの事業を紹介していただけますか。
「当社は、ABBのグループ会社です。ABBは、送電網や帯電製品、産業オートメーション、ロボティクスなどの技術分野で先駆的なリーダーであり、世界の公共事業や工業、輸送、インフラ部門のお客様にサービスを提供してきました。ABBのグローバル事業は、ロボティクスとディスクリートオートメーションを含む5つの部門に分かれています」

「ABBのロボティクスとディスクリートオートメーション事業は、ロボットや機械、ファクトリーオートメーション(生産現場の自動化)の分野で、付加価値のあるソリューションを提供しています。私たちの統合的な自動化ソリューション、幅広い業界の専門知識、当社の世界的なプレゼンスは、お客様に明確な価値を提供します。私たちが注目するイノベーション分野は、例えば、人工知能における幅広い研究、デジタルパートナーシップでのエコシステム(企業が業界や国境を越えて共存する仕組み)の構築のほか、私たち自身の生産拡大も含んでいます。上海に1億5,000万ドル(約163億円)を投資して建設した世界水準のロボット工場によって、生産・研究能力の拡大を目指しています」

「これまでABBのお客様は、すでに当社のロボットの価値をご存知の国際的な企業でした。しかし現在はベトナム企業も増えており、ベトナムのお客様は、高品質化や生産性、安定性、市場で競争力を高めるためのコスト削減の要件を理解しています」

「ABBのロボットは、40年を超える実績によって最適化されたソフトウエアとソリューションを生かして、様々な産業分野に導入されてきました。例えば、食品や飲料業界では製品のピッキング(拾い上げ)や梱包、パレット積み作業に。自動車・バイクやそれらの関連産業、金属製品製造業では、溶接や切断、金属加工に利用され、電子産業では組立や検査に用いられています」

-現在ベトナムで利用される産業用ロボットの傾向について、どう評価されていますか。
「ベトナムの裾野産業は、これまで以上に成長しています。サムスン電子やLG、ユニリーバといったグローバル企業の進出によって、これらの工場のいくつかは、世界のサプライチェーンに組み込まれました。また、ベトナムの製造会社や組立会社も大きく事業を拡大し、世界の生産規則や基準に従うようになりました。こうした2つの環境が、裾野産業の発展を促進し、製品要件や生産性も向上させました」

-ABBベトナムは、ハノイで開催されるVietnam Manufacturing Expo 2019への出展を予定しています。そこでは、どのような製品やソリューションを紹介しますか。
「Vietnam Manufacturing Expoでは、当社の高度なサービスである『ABB Ability』によって同期制御されたロボットを用いた、完全自動化システムのデモンストレーションをお見せする予定です。ABBの『MyRobot』という単一の直感的インターフェースで提供されるABB Abilityは、実用的なデータをいつでもどこでも利用可能にし、ロボットの稼働時間を増やして、ロボットシステムのパフォーマンスを最適化します。お客様は、品質や生産性、価格、安定性、安全性を保証する、将来的でスマートなものづくりを体感できるでしょう。また、出展ブースでは、加工途中の製品から溶接、仕上げといった金属製造プロセスのシミュレーションも予定しています」