米利下げ、ベトナムには短期的にプラス=先行き警戒感も

 【ハノイ時事】米国が約10年半ぶりの利下げに踏み切ったことを受け、ベトナムでは短期的に経済成長や株価にプラスの影響があるとの受け止めが広がっている。米国の金融政策が昨年までの利上げ局面から明確に方向転換したことで、ドル資金が新興国などに向かうとの見方からだ。ただ、米中貿易協議の行方や今後の米利下げペースなどをめぐる不透明感から、金融市場には警戒感も根強い。

 エコノミストのグエン・チ・ヒエウ氏はベトナムニュース紙で、米国の利下げによる米ドル安を背景に、株式市場や国際商品市場への投資の魅力が高まると分析。国際的に資産運用する投資家が、ベトナムの資産に対する投資を増やすのを後押しすると予想した。
 短期的にはベトナム経済と株式市場にとってプラス材料になる可能性があり、不動産市場も安定するとの見通しを示した。ベトナム・ドンの対米ドル相場をめぐっては、長期的に見ればドンの下落はないと予測。「米利下げで米ドルは下落するが、ドンが一段と下落する可能性は低く、安定的に推移するだろう」と語った。
 別のエコノミスト、レ・スアン・ギア氏は同紙で、米国がさらに利下げに動けば、各国の中央銀行は同様の措置を講じて、自国通貨安にすることができると指摘した。市場関係者の間では、バウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が年内の追加利下げを示唆するような発言を行わなかったことから、新興国の中央銀行が今後、一段と慎重な政策運営を強いられるとの見方が出ている。