元安で困難に直面するベトナム製糸業界=中国向け輸出減、価格も下落

 米中貿易摩擦による中国人民元安が進んだことで、ベトナム産の繊維製品用糸の輸出が困難に直面している。製糸業界団体では、2019年の輸出は前年比10~15%減り、輸出額も5億ドル以上減る見通しだと懸念している。国営ベトナム通信(VNA)が伝えた。

 ベトナムは繊維素材である糸用の綿を米国から輸入し、糸製品を中国に輸出している。しかし、ベトナム繊維協会(VITAS)のブ・ドク・ザン会長によると、米中摩擦の影響で元安が進んだため、中国向け輸出価格は18年5月~9月に1キログラム当たり平均3. 05ドルから2. 99ドルへと1. 97%下落。月平均の輸出額は2.5%減少したという。
 中国はベトナムの糸輸出全体の60%を占める最大市場で、ベトナムは中国にとって最大の供給国になっている。しかし、専門家によると、元安のため中国の輸入業者は製造企業の必要最低量しか購入しなくなっており、さらに一段の値下げを求めているという。ベトナムの糸輸出企業は、国内に進出しているインド、タイ、インドネシア、パキスタンなどの外資系企業との競争も余儀なくされている。
 一方、ホグオム衣料品グループのフィ・ベト・チン社長は、同社の輸出先は欧州や日本、韓国など米ドルで支払ってくれる国であり、元安は大きな影響を及ぼさないとの見方を示す。May10社のタン・ドク・ベト社長も中国への輸出は多くなく支払いも米ドルのため大きな影響はないと話している。(時事)