コメ、コーヒーなど農産物の輸出拡大へ支援策=商工省、業界団体と連携

ベトナム商工省は、国産農産物の輸出拡大を目指して、他の省庁や業界団体などとともに数々の支援策を打ち出している。

写真㊤=輸出用の農産加工品

今年7月下旬、商工省傘下のベトナム貿易振興庁(VIETRADE)はベトナム食糧協会(Vietnam Food Association)と共同で、米国とメキシコへ派遣するコメに関するビジネス代表団を結成した。ベトナムのコメ輸出業者が大きな市場へ進出できるよう支援するとともに、特定もしくは既存の市場への依存を減らすのが狙い。参加企業は21社で、輸出能力や評価、事業基盤に従って選出。特に北米で新しいパートナーを探している企業が優先的に選ばれた。

貿易振興庁はまた9月には、ベトナム果物野菜組合(Vietnam Fruit and Vegetable Association)とともに、ベトナム企業のアジア・ASEAN市場への進出を支援するため、農産物の見本市であるAsia Fruit Logistica Hong Kong2019へ企業を派遣する。

バオミン農産物加工会社(Bao Minh Business Agricultural Products Processing Joint Stock Company)は、商工省が主催する多くの貿易促進活動に参加してきた。同社ゼネラルディレクターのブイ・ティ・ハン・ヒエウ氏は、「貿易振興庁は、地元企業が展示会や見本市に出て、大きな商談をつかめるようサポートをしてくれる」と評価する。

ベトナムの農産物は、200の国や地域に出荷されるが、その中でもコメ、コーヒー、コショウ、カシューナッツが主要産品だ。

商工省は毎年、330~350億ドン(約1億5000万~1億6000万円)の予算を計上して、農産品を海外にPRする輸出促進活動を行っている。この活動は、フィリピン、シンガポール、コートジボアール、香港、南アフリカで始まり、これらの市場へのコメの輸出を後押ししている。

また、同省は、世界の流通網への進出促進活動を行うにあたり、ベトナムの農産物取扱会社が、国内で農産物を販売し、国内の海外企業の流通システムを通じて輸出できるようにした。また、それによって、タイやフランス、ドイツ、オーストラリアのベトナム企業と国内企業がつながり、海外在住のベトナム人が、国内企業と輸出市場をつなぐ役目を果たすようになったという。

こうした状況に対し専門家は、「世界の競争は激しく、ベトナムの農業分野がグローバル市場で確固たる足掛かりを築くためには、製品品質と競争力をさらに高める必要があるだろう」と指摘している。