許容労働時間の短縮に反対表明=輸出30億ドル減ると懸念-繊維協会幹部

 ベトナム政府は今年5月、勤労者の許容労働時間を現行の週48時間から44時間に短縮する労働法改正案を提示した。これに対し、ベトナム繊維協会(VITAS)のチュオン・バン・カム副会長はこのほど、業界は人手不足の状態にあり、労働強化につながるなどとして強く反対するとともに、許容残業時間は逆に増やすべきだとの考えを表明した。国営ベトナム通信(VNA)が伝えた。

 現在の労働法では通常労働時間は週48時間、残業時間は産業界一般が年間200時間、繊維、衣料品、靴など特定業界では300時間をそれぞれ上限としている。通常労働時間の短縮についてカム副会長は、繊維業界などでは現在でも300時間の残業を目いっぱい使って生産に対処せざるを得ない状態だと説明。労働時間が週4時間短縮されれば、製品輸出額は年間30億ドル減少するとして懸念を示した。
 カム氏はまた、労働時間が減ればさらに多くの労働者を雇用しなくてはならないが、業界は労働力不足の状態にあり雇用競争が激化すると予想。さらに雇用増加がコスト増につながり、競争力の低下を招くなどと主張し、「通常労働時間上限の48時間から44時間への短縮は行わないよう提言する」とした。
 一方、残業時間についてカム副会長は、東南アジア地域ではベトナムより長時間を認めている国もあるとして、産業界全体で年間300時間、特定業界で450時間に拡大するよう訴えた。(時事)