日系企業の景況感が低下=米中摩擦の影響は慎重に見極め-SMBC調査

 【ハノイ時事】三井住友銀行ハノイ、ホーチミン両支店は9日、ベトナムに進出する日系企業に景気や事業環境への認識を尋ねた「SMBC景況感調査」を公表した。足元の景況感を示す現状の業況判断指数(DI、「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた指数)は38で、昨年冬に実施した前回調査から9ポイント低下した。

 激しさを増す米中貿易摩擦の影響をめぐっては、「どちらとも言えない」との回答がほぼ半数を占めた。今後の行方を慎重に見極めたいとする企業が増えている。
 世界的な景気減速を背景に、海外市場向けに製品輸出する製造業のDIが14ポイント低下。国内市場向けの製造業(9ポイント低下)、非製造業(7ポイント低下)に比べ、落ち込みが大きかった。地域別では、北部・中部が輸出製造業を中心に15ポイント低下したのに対し、南部の下げ幅は2ポイントにとどまった。
 業種別に見ると、卸・小売業で過半数、海外市場向けの機械・電子機器で6割の企業が、業況が良いと回答するなど、景況感が大きく崩れる状況にはなっていない。ただ、「最終製品が中国で生産されており、米国の追加関税の対象になる可能性がある」(機械・電子機器)などと、米中摩擦を懸念する声は根強かった。
 米中摩擦の影響をめぐっては、好影響を受けるとの回答が全体の9%で、前回の16%から減少した。悪影響を懸念する企業は10%で前回(11%)とほぼ同じだったが、「どちらとも言えない」との回答が48%(前回は39%)に増えた。「生産移転はベトナム経済に好影響をもたらすが、労働市場の逼迫(ひっぱく)、賃金上昇のペース加速は企業に悪影響を及ぼす」(輸送用機器)などと、好材料と悪材料を冷静に分析する姿勢が目立った。
 半年後(今年冬)の業況に関する見通しDIは43で、5ポイントの改善が見込まれている。2019年度の業績については、非製造業を中心に48%の企業が前年度から好転すると予想した。
 調査は6月17日から7月24日に実施。ベトナムに進出する日系企業172社から回答が寄せられた。