一段の慎重さ必要な外為政策=米国「監視リスト」入りで

 米中貿易摩擦の激化を受けて中国が人民元相場を切り下げ、対中貿易赤字に悩むベトナムもドン相場の切り下げるべきだとの声が出ている。しかし、米当局から「為替操作国」に認定される恐れもあることから、ベトナム国家銀行(中央銀行)は今後、一段と慎重な外国為替政策を求められそうだ。ベトナム・ニュース紙(電子版)の報道。

 米国との貿易摩擦を受け、人民元の対ドル相場は今年に入って2%下落している。一方、ベトナムは対中貿易赤字を抱えるが、元安で中国からの1~8月の輸入は492億ドルに達し、貿易赤字は254億ドルになっている。このため、今後も元安が続くならドンを切り下げて輸出を守るべきだとのアナリストらの声もある。
 しかし、為替相場を人為的に安値誘導すれば米当局から為替操作国と認定され、制裁を受けることになりかねない。すでに今年5月、ベトナムはシンガポール、マレーシアなどとともに米国から操作国「監視リスト」に記載され、外為政策を注視されている。実際に「操作国」に指定されるには、多額の対米黒字、偏った方向への外為市場介入など三つの条件があるが、ベトナムは全て満たしている可能性がある。
 2018年の国家銀の市場介入は、外貨(米ドル)買い介入が売り介入を上回るものの、年後半にはドン相場の安定を図るため売り介入も行っている点を米当局は留意しているという。米当局は国家銀に対し、介入を減らして相場が経済のファンダメンタルズを反映し、徐々にドン高に推移することで対外黒字を減らすよう提言しているとされる。いずれにしても、監視リストに入ったことで国家銀の外為政策は一層慎重さを求められそうだ。(時事)