ベトナム税関当局、産地証明の検査を徹底へ

ベトナム税関(GCVC)はこのほど、各地の税関当局や職員に対して、原産地や製造国の偽造、知的財産権の侵害、輸出入商品の違法輸送などに警戒し、厳しく対応するよう、文書で注意を促したという。

ラベルが無い商品などが国内に輸入されていたほか、「ベトナム製(Made in Vietnam)」「原産地ベトナム」などの偽造シールをつけられた商品が多く見つかっていることが背景にある。

ベトナム税関では、通関の時の商品ラベル添付を義務付けていないため、それを逆手に取り、輸入業者らは、生産地の国のラベルをあえて添付せずにベトナム国内に持ち込み、国内商品であるかのようにラベルを添付するのだという。なかには、パッケージや商品名なども変えて偽装する事例もあるという。

このほか、ブランド商品の偽造・模造品や、知的財産権利を侵害する品物なども多く見つかっている。

ベトナム産、ベトナム製と偽装された他国の製品が、海外へ輸出される寸前で当局に発見されたというケースもあった。第三国への輸出を目的に、ベトナム国内でほとんど製造や組み立ても必要ない完成品を輸入し、規定された原産地表示の基準を満たしていないにもかかわらず、製品を「ベトナム産」と称して、輸出していたという。

税関当局によると、輸入業者らが原産地についての虚偽申請を行なったり、無効な原産地証明(C/O)を使用したりするのは、多くの場合、通関手続きを簡単にしたいという理由だという。だが、一部は、ベトナムが各国と締結している自由貿易協定にもとづく通関上の優遇税率の恩恵を受けるために、周到な偽装工作をしている悪質な企業もあるとみられる。

GDVCでは、各省や都市レベルでの税関担当部局に対して、さらに、知的財産権の侵害や違法商品の輸出入などの検査体制を強化し、原産地証明の使用監督や管理を徹底させることなどを求めた。