11月に「ハノイ販売促進月間2019」開催 オンラインショッピングや店舗のIT活用を加速

インターネットなどでの商品購入や、実店舗で電子機器や電子支払いなどITを活用する市民の購買行動を促進し、経済活性化につなげようと、11月の1カ月間、首都ハノイでは、市をあげたイベント「ハノイ販売促進月間2019」が開催される。ITを活用した買い物手法の市民への浸透を図るとともに、消費の拡大をねらう。

イベントは、ハノイ市人民委員会が企画し、ここ数年、11月に開催されており、今年は生産現場のIT化などを指す「インダストリー4.0(第4次産業革命)」がテーマとされた。

イベントを主催するハノイ市促進局のグエン・ティー・マイ・アイン副局長によると、イベントは、消費者に時間を節約できる買い物手法を勧め、浸透させることが大きなねらいだという。ハノイでも、若い世代には浸透しつつあるインターネットショッピングや電子支払いだが、市場拡大のためには利用者の年齢層の拡大が必須だ。スマートフォンの使用によって、実店舗へ行く時間がなくても、家や職場などで買い物ができる点に加え、特別価格での購入などがある利点なども、消費者にアピールしていく。また、実店舗では、ITを活用した店舗でのスマートショッピングの実例として、スキャンするだけで有効になるQRコードのギフト券や割引クーポンなどを、消費者や小型店の経営者らに提案する。

アイン局長は、「幅広い販売促進活動によって、電子商取引を監督する政府当局と企業との間や、また企業と消費者の間でも、相互のつながりが強化されると期待している」と話した。

イベント運営委員会によると、1カ月を通じて行われる今年の催しには、昨年を上回る500社が参加し、さまざまな商品を特別価格で提供する予定。中には実質無料で商品を提供するキャンペーンもあるという。

1日午後8時のイベント開始時刻には、ハノイ中心部、ホアンキエム地区のリタイトー記念広場で、開幕イベントが開かれる。1日~3日は「4.0ショッピング・フェスティバル」と題し、大手流通業者やブランドなど20社が広場に企業ブースを設け、市民らにインターネットショッピングやスマートショッピングを体験してもらう。

同時期、近くのオクタゴン・ハウスでは、旅行などのネット申し込みを促進したい観光業界も、「観光PRフェスティバル」を開く。開設される60ほどのブースでは、国内や海外旅行商品が割引価格で販売されるほか、航空業界なども航空券を格安で提供する予定だ。

さらに、11月9日と10日は「黄金の販売促進デー」として、スーパーマーケット、貿易センターやインターネットの買い物サイトなど60カ所で、さまざまな割引商品を売り出す。

11月下旬の22~26日は、ハノイを象徴する大型商業施設、タイムズスクエアで、有名企業らが130のブースを設置し、電子機器や日常家庭用品、衣類などのファッションアイテムなどを販売する。

インターネットショッピングに特化した大規模セール、「オンライン・フライデー」は、11月29日から12月6日が対象期間となる。ハノイ市のインターネットショッピング利用を加速させようと、ハノイ市電子商取引局と、ベトナム商工省傘下のデジタル経済局が共同で開催する。特設サイト「onlinefriday.vn」では、大幅割引が適用された商品を購入することができ、インターネットでの買い物になじみのない人々の囲い込みを図る。

イベントを広く告知するために、運営委が準備を進めており、ハノイ市電子商取引局と、ベトナム商工省傘下のデジタル経済局と協力を進めている。また、地元企業や商店に「オンライン・フライデー」への参加を募っている。

昨年の一連のイベントでは、300余りの企業が参加し、30万点の商品が20~80%引きで販売された。市場規模は1兆ドン近くとなり、収益は34億7000万ドンをこえるなど、市民の消費活動のてこ入れに大きな効果を発揮。11月の1カ月の市の収入も、前月比で2.3%増えた。

運営委員会は、企業と提携して、不正などが行われないよう、割引商品についての情報の透明性を保証し、個人情報の漏洩などがないよう、認証コードの活用などを徹底するとしている。

ハノイ市促進局のグエン・ティー・マイ・アイン副局長は、「『ハノイ販売促進月間』は、従来の販売促進に加え、幅広い販売促進活動手法を提案し、企業のインターネットやIT活用を促進していく。企業や商店と、顧客との間の相互交流を大きく変化させ、商品を大きく刺激することにつながるだろう」と期待を寄せている。