ラオスやカンボジアも脅威に=国産化率の低さが原因-ベトナム自動車業界

 ベトナム商工省がこのほど国会に提出した報告書によると、国内の自動車産業はタイとインドネシアからの輸入自動車との激しい競争に直面しており、他の東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国も脅威となりつつある。ベトナムの国産化率の低さが原因で、同報告書は「ラオスやカンボジア、ミャンマーといった後発国との競争にも立ち向かわなければならなくなる」と指摘した。オンラインメディアのVNエクスプレスなどが伝えた。

 ベトナム自動車工業会(VAMA)によると、2019年1~9月の輸入車販売は約9万3600台と前年比150%増加したが、国内組み立て車の販売は13万6800台で同13%減少。同省では、「自動車輸入は国内需要の急増により増加が続いており、国内自動車製造業や貿易収支に深刻な影響を与えている」と報告した。
 また、ベトナムは、部品の40%以上がASEAN諸国内で生産された自動車の輸入関税率を昨年から撤廃したため、ベトナムは世界的な自動車生産国であるタイやインドネシアだけでなく、ラオスやカンボジアなどとの競争にも対処する必要があると指摘。「ベトナムの自動車産業は低付加価値部品の製造にとどまり、エンジンやギアボックスのような高付加価値部品の製造技術はまだ習得していない」と分析している。その上で「材料サプライヤーと部品メーカーの不足は国産車が輸入車より価格が高くなることにつながる」と指摘した。
 ベトナムは、9席以下の乗用車の国内部品調達率を2010年までに60%に引き上げる目標を設定した。しかし、実際にはまだ7~10%にとどまっている。一方で、ASEAN諸国は65~70%、タイは80%に達している。
 そのため、同省では、貿易協定によってASEANやEUとの競争激化を踏まえ、国内生産された自動車部品に対する特別消費税を5~10年間、凍結することを検討している。また、電気自動車に対する税制上の優遇措置も提案した。国内には、自動車の製造・組み立て企業が約40社あり、1年間の生産能力は計68万台。9席以下の車の生産は毎年20~30%伸びている。商工省では、ベトナムは2020年に製造販売数でフィリピンを上回ると予想している。(時事)