ベトナム、米中摩擦の恩恵受けず=20年6.8%成長は容易でない-商議所会頭

 ベトナム商工会議所(VCCI)のブ・ティエン・ロック会頭は10月30日、国会での討議セッションに出席し、ベトナム経済は世界の貿易不振と米中摩擦にさらされており、2020年の国内総生産(GDP)伸び率6.8%という目標達成は容易ではないとの認識を表明した。ハノイ・タイムズ紙(電子版)が伝えた。

 会頭は政府統計を引用し、19年1~9月の輸出が8.2%増と前年同期の15.4%増から鈍化し、それ以前の20%程度の増加から3分の1の伸びにとどまっていると指摘。「専門家の多くが、貿易摩擦を受けベトナムが勝者となり世界の製造業のハブ(中心)になると予想しているが、実態はその逆だ」と危機感を示した。
 会頭は、輸出先の5大市場別内訳では欧州連合(EU)、中国、東南アジア諸国連合(ASEAN)、日本向けが減速している中で、米国向け輸出は1~9月に28%大幅増の450億ドルに達している統計を提示。しかし、米国は不均衡を抱える貿易相手に強硬な姿勢をとっていることから、ベトナムが米国から懲罰的関税などを課されるリスクもあると注意喚起し、「これほどの対米輸出を維持できる可能性は極めて低い」と強調した。
 ロック会頭は外国直接投資の流入についても、日本や韓国からの流入が減速する一方で、東南アジア諸国からの中国関連の投資資本流入が、登録資本の50%近くを占めるほど急増していると説明。こうした傾向は持続可能ではなく、長期的にみてベトナムの経済成長に悪影響を及ぼすと懸念を示した。(時事)