米中摩擦が業績圧迫=7~9月期、鉄鋼各社の赤字相次ぐ

 【ハノイ時事】長引く米中貿易摩擦などを背景に、ベトナムの鉄鋼各社が厳しい経営を強いられている。オンラインメディアのVNエクスプレスによると、鉄鋼大手ポミナ・スチールの7~9月期決算は税引き後損益が1190億ドン(514万ドル)の赤字で、売上高も前年同期比14.5%減の3兆ドン(1億2950万ドル)にとどまった。3期連続の赤字で、赤字幅は四半期ベースで今年最大。1~9月全体で2520億ドンの赤字となった。

 ティエンレン・スチール・グループ(TLH)も、税引き後損益が90億ドンの赤字。ベトナム・イタリー・スチール(VIS)は6期連続の赤字で、赤字幅は前期の約2倍の753億ドンに膨らんだ。
 最大手のホアファット・グループは黒字を確保したが、税引き後利益は前年同期比27%減(前期比10%減)の1兆8000億ドンにとどまった。同社は減益理由として、世界的な鉄鋼価格の下落を挙げた。
 大半の鉄鋼メーカーは今回の決算を踏まえ、米中貿易摩擦による地合いの悪化で世界市場が不安定になり、建設投資や鉄鋼需要などが低迷したと指摘した。国内市場での鉄鋼過剰も生産にはダメージで、原材料価格や電気代の上昇も加わって、利益が圧迫されたという。VISは今年、生産水準の半減を余儀なくされている。
 ベトナム鉄鋼協会(VSA)によれば、鉄鋼業界は、高関税を避けるためにベトナムに向かう中国からの輸入鉄鋼製品による脅威にも直面している。ベトナム当局は最近、台湾、中国などから輸入する鉄鋼製品が国内生産に悪影響を及ぼしていると判断。今後5年間にわたって最大37.29%の反ダンピング(不当廉売)関税を課すと発表した。