船舶燃料の規制強化で対応苦慮=コスト5割上昇との見方も-ベトナム海運業界

【ハノイ時事】地球環境問題に対する関心の高まりを背景に、船舶燃料の国際的な環境規制が2020年から強化される。規制強化に伴う燃料費の上昇は避けられず、各国と同様にベトナムの海運業界は対応に苦慮している。

 国連専門機関の国際海事機構(IMO)の海洋汚染防止条約を踏まえ、船舶燃料に含まれる硫黄酸化物(SOx)分の上限が現在の3.5%から0.5%に厳格化される。20年1月1日以降、船舶が硫黄分の除去設備を備えていなければ、この規制が適用される予定だ。
 ベトナム紙サイゴン・タイムズ(電子版)によると、11月半ばにホーチミン市で開かれた会合では、燃料規制強化の影響を懸念する声が相次いだ。シンガポールに本拠を置くコンサルタント会社SDEインターナショナルの幹部は、燃料規制の強化で、事業規模が小さかったり、財務基盤が弱かったりする船会社などが難しい対応を迫られると予想。新たな規制の適用により、船舶の運営コストが5割上昇するとの見方を示した。
 米メタノール研究所の幹部は、IMOの定めたSOx規制と温室効果ガスの削減目標の双方をクリアできるのはメタノールだと強調。再生可能メタノールが、脱化石燃料への長期的な移行期に利用できるエネルギー源になり得ると指摘した。
 サイゴン・タイムズ紙によれば、今年上期の船舶積み荷量が前年同期比16%増の8100万トンとなるなど、ベトナムの海運業界は順調な拡大を続けている。ただ、燃料規制への対応以外にも、船舶の老朽化、資金不足といった問題が山積しているのが実情で、将来の発展へ課題は多い。