BIDV、利益上位5行外れる=国有銀停滞し、民間商銀は躍進

 サイゴン・タイムズ紙(電子版)は先ごろ、ベトナム銀行業界で目立ってきた国有銀行の収益鈍化と民間商業銀行の躍進についての特集記事を掲載した。この中で、ベトナム投資開発銀行(BIDV)が収益上位5行に入らなかった点に分析を加えている。

 BIDVの2019年1~9月期の連結税引き前利益は7兆0280億ドンで、前年同期比3.1%減となり、現在までに第3四半期決算を発表した銀行では初の減益行だった。1~9月期の税引き前利益上位行を見ると、1位はベトナム外商銀行(ベトコムバンク)で、以下ベトナム農業地方開発銀行(アグリバンク)、ベトナム技術商業銀行(テクコムバンク)、軍事銀行、VP銀行と続き、BIDVは6位だった。
 上位5行以下でも民間商業銀行の躍進が目立ち、ベトナム国際銀行(VIB)、サイゴン商信商業銀行(サコムバンク)、TP銀行、リエンベト銀行なども大幅な増益を達成している。17年にはベトコムバンク、ベトナム工商銀行(ヴィエティンバンク)、BIDVの国有大手が利益上位の3行だったが、国有銀行の後退と民間商業銀行の躍進は予想されていた。
 その要因の一つが、不良債権の問題。BIDVの不良債権処理に備える信用リスク引当金額の推移をみると、17年は14兆8000億ドン、18年は18兆9000億ドン、19年は9カ月分で16兆5000億ドンに達しており、不良債権問題が利益を圧迫している。不良債権の絶対額は18年に18兆8000億ドンと、前年比34%あまり増え、19年も1~9月期で22兆4000億ドンと、前年同期比19.3%増だった。
 BIDVはこれまで国有企業の投資事業への融資を担ってきたが、多くの国有企業で経営が悪化し、また巨額の負債を負っている。このため、BIDVの不良債権は増加の一途をたどってきた。
 資本規模を増強できないことも、BIDVが利益を上げられない要因の一つ。ここ4年間、定款資本金額は34兆1870億ドンのままだ。増資ができず自己資本比率は規制基準である9%程度のままのため、事業や貸し出しを増やすことができないでいる。一方で、テクコムバンク、VP銀行、HD銀行など民間商業銀行は株式上場以降、大幅な増資に成功している。
 さらに事業戦略でも、民間商業銀行が個人ローン、消費者ローンなど小口(リテール)銀行事業を積極的に進めて利益を増やしている。これに対し、国有商業銀行もリテール分野の比率を高めているが、期待ほどの成果を上げられていない。投資やサービス手数料収入の分野でも、民間商業銀行が保険商品の窓口販売(バンカシュアランス)、コンサルティングなどの新規事業を積極的に進めているのに対し、国有銀は自己資本比率を満たすため、リスク比率の低い国債への投資を中心としている。(時事)