チュオンハイ自動車 上半期の利益1兆8300億ドン 過去5年間で最低

ベトナム国内で、主に外国メーカーの自動車組み立てを展開するチュオンハイ自動車(THACO)の今年上半期の利益が、前年同期比約40%減の1兆8300億ドン(約7880万ドル)だった。過去5年間で最低の数字となった。同社は、「自動車販売台数が減少しているなかで、生産コストが膨張したのが原因」としている。

THACO社はベトナム国内の自動車組み立て製造の最大手企業。主に仏プジョーや韓国の起亜自動車、日本のマツダなどの外車の組み立てを請け負っており、今後はBMW車の組み立て製造も計画されている。ベトナムを代表する企業のひとつで、2015年以降、同社の上半期の純利益はたいてい、3兆ドン(約1億2900万ドル)の黒字を計上してきた。

今年上半期は、前年同期比3%の収益減となり、26兆8500億ドン(約11億6000万ドル)にとどまった。一方で、製造原価は36%上昇し、1兆1800億ドン(約5080万ドル)に達した。

また、金融費用も前年同期の2倍近い1兆2200億ドン(5250万ドル)に膨らんだ。金融費用の56%は利子の支払いで、これが前年同期と比べて1.46倍の6780億ドン(約2920万ドル)と急増したことが、大きく響いた。

同社は、今年上半期に、長期と短期合わせて6兆5500億ドン(約2億8200万ドル)の追加債務が発生し、総借入額は31兆4400億ドン(約13億5000万ドル)となった。

これらの借入金について、同社は、農業・不動産開発などを多角経営していたものの、現在は財政難に陥っているホアン・アイン・ザライ(HAGL)社への投資と、同社株式の取得に充てたとしている。