深まる日越関係 即位の礼で来日のフック首相が強化を再確認

日本の天皇陛下の即位儀式「即位礼正殿の儀」に出席するため、ベトナムのグエン・スアン・フック首相は先月22~23日、日本を訪問した。この歴史的出来事へのフック首相の出席で、ベトナムは、日本との戦略的パートナシップの重要性と二国間の協力関係の強化を再確認した。

ベトナム外務省によると、ベトナムと日本両国の関係は現在、「45年前の外交樹立以来もっとも厚い相互信頼関係」にあるという。両国の首脳陣らは今回の即位の礼のように、機会があるたびに、相互の国を訪問しあい、さまざまな地域会議や国際会議などの場で意見や情報の交換を続けてきた。

日越関係はさまざまな分野で発展しており、今では日本はベトナムのもっとも重要な経済パートナーだ。貿易の面でいうと、両国は1999年以来、相互に最恵国待遇で関税設定をしており、2018年には、日本とベトナムの貿易額は世界第4位だった。今年1月~9月の9カ月間で、双方の総貿易額は前年同期と比べ5.6%増の291億6000万ドルに達した。このうち、ベトナムから日本への輸出は149億8000万ドル(前年同期比8%増)、日本からベトナムへの輸入は141億8000万ドル(同3.3%増)に達した。

9月の投資額が第2位。4291件の案件が実施中で、登録総資本は603億6000万ドルだった。ベトナムに進出している企業数は今や2500社以上に及び、そのほとんどがベトナムでの活動幅を広げたいと考えている。日本はまた、ベトナムへの政府開発援助(ODA)の提供が、最も多い国でもある。

両国の密接な関係は他の分野にも広がっており、例えば、農業分野では両国は2014年、「農業協力に関する中長期的ビジョン」に署名している。また、人材育成の面でいえば、ベトナムは1992年以降、多くの訓練生や技能実習生を日本へ送っており、今では日本在住のベトナム人が16万人を超え、日本で働く外国人で最も多くなっている。人材育成や教育分野においては、日本はベトナムへの返済不要の教育・人材育成支援金の提供が最も多い国のひとつだ。

観光も、両国の関係にとっては重要だ。2018年にベトナムを訪れた日本人観光客は、82万6674人だった。今年1~8月だけでその数は62万731人に達しており、前年同期比18.3%の伸びを示している。また、自治体同士の交流も盛んになっており、これまでに40組以上の日本の自治体が、ベトナムの市や省と協力関係を結んでいる。

ベトナムと日本はどちらも、3種類の自由貿易協定に加盟しており、これも今後の関係強化にとって重要だ。 これらには、ベトナム日本連携経済協定(VJEPA、またはJVEPA)、日本アセアン包括的経済連携協定(AJCEP)、さらには包括的かつ先進的環太平洋経済連携協定(CPTPP)の3つで、今後の関係強化に大いに貢献すると期待されている。