ベトナムのデジタル経済の進展、EUが積極支援

EUのジョルジオ・アリベルティ駐ベトナム大使は昨年、ハノイ市で行われた記者会見で、「EUはベトナムのデジタル経済を進展させるために、優先的に技術提供を行い、経験を共有していく」と語った。

写真㊤=多くのEU企業がベトナムでの事業に成功している

アリベルティ大使は、近年、EUとベトナムの協力関係が大きく発展したことを評価。「EUはベトナムとの協力関係を非常に重視しており、最近署名された多くの重要な協定によって、二国間関係の進展も実証されている」と指摘した。これらの協定には、EU・ベトナム自由貿易協定(EVFTA)、EU・ベトナム投資保護協定(IPA)、EU危機管理オペレーションへの参加枠組み協定が含まれる。

加えて、大使は、「2019年の欧州議会選挙後に発足した新しい欧州委員会は、気候変動への闘いに対し、重要な優先事項を設定した」と述べたが、EUは2050年までに「カーボンニュートラル大陸」となり、この分野で主導権を握る目標を掲げている。そのため、ベトナムとも積極的な関係構築を望んでいるのだ。

「私たちは、気候変動への闘いに向けたベトナムの努力を高く評価している」と大使は強調したが、EUは、再生可能エネルギーの活用や化石燃料の削減など、特定分野に焦点を当てた革新的で効果的な方法の実践を目指している。

さらにもう1つ、大使が在任中の優先事項として挙げたのは、デジタル経済を推進するための支援だ。デジタル経済は、将来的に地域社会へ大きな利益をもたらすと考えられる。EUは、ベトナムのデジタル経済進展に向けて、技能開発や技術的なアプリケーションの開発、専門知識の分野で支援を行う。

まず、最初のサポートとしては、農村部への電力供給と政府の統治能力の向上に焦点を当てる。アリベルティ大使は、「EUは、ベトナム企業がEUへ市場を拡大できるよう条件を整備する。それによって、より多くのベトナム製品がEUへ輸出できるようになる」と強調した。

現在EUは、ベトナムにとって第4の貿易相手国であり、第2の輸出市場である。登録された2133件のプロジェクトに投資する外国投資家の中では、第5位にランクしている。