【ハノイ時事】ベトナムの複合企業大手ビングループは14日、計画していた航空旅客事業への参入を断念すると発表した。新航空会社ビンパールエアの設立を撤回し、ハイテク分野などに経営資源を集中する。

 ベトナムでは、ベトナム航空をはじめ合計6社が既に、激しい「空の戦い」を展開。さらに、旅行大手ベトラベルのベトラベル航空、ティエンミン・グループのカイトエアが認可手続きを進めており、各社間の一段の競争激化や空港での発着枠の不足などを懸念する声も出ていた。
 ビングループはパイロット、整備士などの人手不足が深刻化している状況を踏まえ、航空関連人材の育成事業は継続する。同社は2019年7月下旬、航空業界の人材育成事業を行うため、カナダ企業と協力すると発表。同時に、航空旅客市場への参入手続きを開始した。グエン・スアン・フック首相にビンパールエア設立の認可を求める文書を提出し、今年7月の運航開始を目指していた。
 ビングループのグエン・ベト・クアン副会長兼最高経営責任者(CEO)は今回の決定に関連して、「ベトナムの航空旅客市場は非常に潜在力があり、力強く成長してきたが、(既に)主要企業が参入している」と指摘。「ビングループがこの市場に巨額の投資を行えば、供給過剰を招きかねない。わが社は、技術と製造業部門の発展に経営資源を集中させる必要があり、(航空旅客市場への参入計画の)撤回を決めた」と説明した。
 ビングループは19年12月に、複合企業マサングループと小売り事業を統合する方針を表明。スーパーなどの小売り事業から実質的に撤退しており、スマートフォンをはじめとした情報通信関連や自動車などに経営資源をシフトさせる動きを加速させている。