長引く価格低迷で苦境に ベトナムコーヒー・ココア協会会長に聞く

コーヒーの輸出額と売上高が2割程度ダウンし、地域の農家にもじわじわと影響が出始めている。生豆の落ち込みを相殺するため、業界では、品質改善や付加価値の高いブランド開発に力を入れている。VECのフォン・ラン記者がベトナムコーヒー・ココア協会(Vicofa)のルオン・バン・トゥ会長に聞いた。

写真㊤=生豆の価格低迷が続くベトナムのコーヒー。収益増のため、業界では品質改善や負荷化価値の向上が進められている

2019年以来、コーヒー業界は輸出価格の下落によってさまざまな困難に直面している。下落の理由は?

実際のところ、今年のコーヒー価格は前年よりも低くはない。ただ、過去の下落はわずか1カ月程度だったが、今回は落ち込みが長引き、コーヒー産業に影響が出ている。現在、ベトナムの生豆価格は他の国よりも低くなり、農家が利益を上げることができない。安値の原因は、世界的な経済低迷による農産物の価格下落とコロンビア、ブラジルのコーヒーの豊作にある。今後の価格もブラジルの生産量しだいだ。ただ、今回の価格危機は1㌧当たり1200㌦-1500㌦(約13万~16万3000円)で、1㌧当たり400㌦(約4万3000円)だった2000年よりは悪くはない。こうしたなか、Vicofaでは生豆の代わりに、付加価値の高い加工品の奨励に力を入れている。


ベトナムコーヒー・ココア協会(Vicofa)のルオン・バン・トゥ会長

コーヒー価格は下がっているが、加工品とオーガニックコーヒーの値段は上がっている。理由は?

近年、ベトナムでは諸外国の基準に適合した生豆を輸出できるようになってきた。厳格な基準をクリアできれば、値段も高くなる。たとえば、われわれが米国に輸出したコーヒーから除草剤が検出されなければ、1㌧当たり10~15㌦(約1090~1630円)高くなる。農業農村開発省も品質向上のために除草剤の使用を禁止した。一方、サライ省の省都、プレイクにあるVinh Hiepのオーガニックコーヒーの耕作面積は300㌶に達している。米国の基準に適合した同社のコーヒーは、一般的な生豆の3~4倍で、供給が追いかない状況だ。しかし、オーガニックコーヒーには大規模な投資が必要で、収穫量も少なく、収益もまだ高くはない。

コーヒー農家への利益を守りつつ輸出を維持するために、Vicofaではどのような策を講じているのか?

コーヒーは、中部高地地域における主力農産物だ。需要は年2%増加しており、輸出の停滞ばかりに目を向けるべきではない。ただ、今の状況が続けば、地域の農家は、肥料や種、農薬を買うために銀行から、高い金利で資金を調達しなければならない。それが結局、コーヒー価格にもはね返ることになる。このため、政府に対してコーヒー価格の維持のために、備蓄としてコーヒーを購入するように何度も提案している。また、農家が価格崩壊につながる安売りをしないように、銀行に対して資金の借用期間の延長を要望している。一方、農家に対しても、より高い値段で売れるように仲介業者を通さず加工業者に直接売るよう注意喚起している。さらに、加工業者と小売業者に対しては、この苦境を乗り越えるために、購入価格を維持して農家をサポートするように呼びかけている。