ASEAN+日中韓、20年成長率は0.2ポイント低下=AMROが肺炎余波分析

 【シンガポール時事】東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国と日中韓の経済を調査・監視する「ASEANプラス3マクロ経済調査事務局(AMRO)」(本部シンガポール)は、新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響をまとめたリポートを発表し、2020年のASEANプラス3の計13カ国では、域内総生産(GDP)成長率が0.2ポイント低下すると予測した。中国の成長率は最大0.5ポイント低下する見通しで、中国経済減速の影響はほかの12カ国にも及ぶのは必至だ。

 ◇中国人旅行者比率がSARS流行時に比べ上昇
 域内成長率の減速は、中国旅行者の海外旅行が急減していることや中国以外でも感染不安によって域内旅行者が減少していることが一因。また、中国国内での製造停止や需要減退を受け、中国の輸入需要が減退していることなどもマイナス要因として挙げた。
 AMROによると、GDPに占める旅行業の割合が高く、その中でも中国旅行者が占める割合が高い国・地域で、経済的打撃が大きくなる恐れがある。03年の重症急性呼吸器症候群(SARS)流行時に比べ、調査対象の各国・地域で旅行者に占める中国人比率が高まっている。
 02年、域内に占める中国旅行者の割合は全体の20% 以下だったが、18年には40%以上に伸びた。旅行者数は約1000万人から8000万人以上に増えた。
 国・地域別では、18年に中国旅行者の割合が最も高かったのが香港で80%以上に達した。カンボジア、韓国、ベトナムは30%以上。タイ、日本は約30%と、いずれの国・地域でも高い割合を占めた。02年は、香港で41%、その他の国では10%未満にとどまっていた。
 ◇旅行業の比重拡大
 00年に比べ、GDPに占める旅行業の割合も調査対象となった多くの国・地域で増加した。
 カンボジアは14%、タイは10%だった。旅行業を支える清掃や整備、エネルギー、食料生産などの間接的な業界を含めると、カンボジアで全体の30%以上、タイとフィリピンで20%以上を占めた。
 各国の観光業界では、中国旅行者への依存度の高まりを「チャイナ・リスク」として警戒してきたが、今回の新型肺炎の流行によりリスクが顕在化した格好となった。